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小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
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ここまで原作の話数とあわせてましたが
ここで一旦離れましょう。


5話 どうぞ。







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フェイトさんと戦った小川は 旅館から走って5分ほどの距離。
歩いても10分かからない。
だからフェイトさんを見送ったあと そのまま部屋に戻って夢の中だと思ってた。


「ねぇー フェイトちゃんと何があったのー」
「だからいろいろだって・・・」
なんて半ば楽しんでるような会話をしながら来た道を戻ってたんだけど・・・




『 マイスター 左手50ヤード先に小動物を感知しました 』
「小動物? 種類は?」
『 不明です。 小さすぎて検知できません 』
「このへんに住んでる野性の動物じゃない?」
『 そのようですが バイタルに異変があります 』

なんだろう ちょっと気になる。
50ヤード 約46メートルか。 いってみよう。














道をはずれ 草をかきわけて進む。
そしてだいたい50ヤードいったくらいのところで 小動物を発見した。



それは 白くてキレイなウサギの子供だった。

だったといったのは 今ボクらの前にいる子ウサギは
下半身に大怪我を追って 半分赤いウサギになってるから。
傷には火傷の跡のようなものもある。


「酷い・・・」
「なんだってこんなことに・・・
グラム、フィジカルヒール用意 それと怪我の原因もできたら解析して」
『 オーライツ 』
「僕も手伝うよ」

ヒーリング程度では治癒できないのは見れば分かる。
でも 見つけた以上は何かしないと気残りになるからね。







『 ・・・ マイスター 解析できました 』
「そう で、どうだった?」
『 単刀直入に言います。 この傷は 私たちが原因です
「・・・どゆこと?」



解析の結果が ボクとグラムに重くのしかかる。

この子ウサギの傷跡から 少量の魔力が検出された。
そしてその魔力波動は ボクのものと一致したのである。

きっと さっきの戦闘で乱射したフォトンバレットの流れ弾が
偶然この子に当たってしまったのだろう。
山中で夜中だったこともあり 結界を張らずに戦闘していたのが
こんな形で現れるなんて・・・

『 申し訳ありません 』
「いや、ボクも悪かった。 せめて結界くらい張っておけばよかったんだ。
それよりもこの子だ せっかく生まれた命なのに 今ここで閉じようとしてる。
それも この子は何も悪くない ボクらのせいで・・・」



「ねえありす この子、なんとか助けられないの?」
「魔法で治療するのにも限界がある。 これだけの大怪我じゃあ・・・」
「それに獣医さんが近くにあればまだしも 山の中だし・・・」
「そんな・・・」

治療による回復は絶望的、旅館に連れ帰っても同じだろう。
もしそのまま放っておいたら 明日の朝日も拝めないかもしれない。











「・・・1つだけある。 この子を助ける方法」
「あるの!!」
「でも 正確には生き延びられるだけで "この子" が助かるわけじゃない」
「それって まさか・・・」
「うん たぶんそのまさか」





子ウサギは生き延びるけど この子が助かるわけじゃない方法、
それは昼間ユーノと話していた【使い魔】システム。

詳細はユーノが言ってたとおりだから省略。
これ、契約すると肉体としての生命は継続するけど
人格などの精神面は全く別の固体にかわっちゃうんだよね。
主を自分の親と見て 自身に何があっても守ろうとする傾向も確認されてる。
悪く言えば "動物の死体を使った魔法人形" ともとれるかな。
だから精神的に "この子" は消えちゃう というわけ。

でも、さっきも言ったけど放っておけば肉体的にも死んでしまうんだよね。
幸い使い魔契約の術式はグラムに登録されている。
ボク自身の魔力量も問題ない。 保有量だけならなの姉さんにも負けない自信がある。
他に手もないし この子がこうなったのもボクらのせいだし・・・



見た感じだけど この子はもう長くない。
これなら 使い魔のよりしろにはできるだろうけど。
「・・・これもボクの責任だもの。 ボクがきっちり面倒見ないと」
『 それは私も同じですマイスター 私も全力でバックアップします 』
「ありがとね。 グラム、すぐ術式用意して。
ユーノは一応邪魔が入らないように結界お願いできる?」
「わかった」
「ありす わたしは?」
「できれば 何もしないで。 けっこう集中力がいる作業だから」
「ふぇぇぇ」
釘刺しておかないとね 展開中に話しかけられても困る。






ユーノの結界が張れたのを確認し 契約術式の展開を指示する。
しかしロジック構築するのに登録してたやつだけど
まさか実際に使う機会があろうとは思わなかったよ・・・


『 術式、展開しました。 項目設定をお願いします 』

使い魔を生成するためのいくつかの項目を設定する。
性別や性格などの基本情報から 意志の有無までいくつかあるけど
そこから必要最低限のもののみ設定していく。
契約内容自体は後で考えよう。 仮契約という手がある。
もしこの子がそのままボクの元で生きていくことを望んだとき 契約すればいい。

『 項目の登録を確認しました。 呪文詠唱をお願いします 』



"" 我が元に契約の証印を ""
"" 契約のもと 新たな命と魂を 我が力を糧に 新たな命をここに ""



足元に複雑な術式が描かれた 青紫色をした多階層の魔法陣が浮かぶ。
魔法陣は一瞬目もあけられないほどの光を発したあと 何事も無かったかのように消滅した。






後に残されたのは ボクとユーノ、なの姉さん それに・・・


「うわぁ かわいい ユーノ君にも負けてないよ」
「そこに僕は出さなくてもいいんじゃ・・・」
「いいじゃない。 でもよかった 成功だよ」

くりっとした目でこっちを見る子ウサギが一匹。





「でもこれで アリスは使い魔持ちかぁ」
「使い魔さんがいると凄いの?」
「うん 魔法社会のステータスになるからね。
大所帯のスクライア一族でもごく僅かだった」
「へぇー」
「アリスは大丈夫? 生命維持の魔力消耗してるんでしょ」
「うーん まぁ今のところは・・・」

初めてで急ぎだったから設定が高性能すぎたかも 予想より多量の魔力が流れ出てる。
魔法運用には支障出なさそうだけれど ボクも慣れなきゃね。

















明けて次の日 子ウサギのことをみんなに打ち明ける。
使い魔システムも説明したし うちに置いてくれる許可もすんなり頂けた。
旅行中はずっとすずちゃんの手の内にあったんだけどね。
おーい主人はボクだぞ?w


設定だけど やっぱりいろいろ間違ってた。 単位とか。
特に身体能力が鬼畜で ウサギ状態でも走ればそのへんの車より早いし(かなりびっくりした)
握力も凄くて 立ってるボクの肩にあっさりよじ昇ってくる。
ウサギだよね君 フェレットじゃないよね?
変更効かないからどうにもならないけど 恐ろしい子ができちゃったかも・・・







旅行最終日 明日には日常に戻らないといけない日
帰りの車の中は寝息が漂っていた。
特にうしろに座ってるアリちゃんすずちゃん、なの姉さんはお疲れモードだね。



『ねぇユーノ』
『ん、なに?』
『帰ったら ボクら学校あるじゃない。
その・・・ あの子もいろいろ学ばないといけないよね』
あの子こと子ウサギは 今はなの姉さんの膝の上で寝てる。
大事なことだから2回言うけど主人はボクだぞ?w

『そうだね。 アリスの魔力だと成長早そうだから
喋りだすのも 人間形態になるのも だぶんすぐだと思うよ』
『だからさ なの姉さんに魔法教えてるところで悪いんだけど・・・』
『分かってる。 そのへん二人が学校いってる間は僕に任せて』
『ありがと ユーノ』
『君と僕の仲だもの 気にしないで』
常識のある良心的な家庭教師がいると助かるなぁ。
フェイトさんとこの リニスさんだっけ? こんな感じだったのかな。


『・・・白兎(はくと)』
『えっ?』
『あの子の名前。 昨日いろいろ考えたんだけど 今これにした』
『そのまんまじゃないか』
『いいじゃないわかりやすくて。
あの子の脚なら因幡の素兎よろしく ほんとにワニの背中飛び越えられるよ きっと』

主を親と見る傾向がある かぁ・・・
はくとからするとボクはお母さんになるんだろうか?
あんまり自身ないなぁ せめて親友か姉妹くらいのほうがいい。

そっと後ろの席を見つめる。
なの姉さんの膝の上で いい顔して寝てるはくと。
これからどう成長するのだろうか それはボクにも分からない。




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あとがき



新キャラクター はくと登場 ちなみに女の子です。
オリ使い魔使いたいなぁと前々から思ってましてね。

温泉の話が原作5話にあたるんですが
実は5話と6話の間に無印SS02(5,5話)なるものが存在してるんです。
フェイトとアルフの出会いのお話で これは丁度いいと
ここで使い魔契約の話持ってきた次第。 契約儀式の呪文はSS02から抜粋。

仮契約の期間が1ヶ月ですんで
今のところはくとちゃんはPT事件にあまり関与しない方針。



で、新キャラ出たところで章を区切ろうと思います。
次の記事からいつもの設定ページですんで
はくとちゃんの設定なんかはそちらにて。


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