小説置き場
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取り扱い:リリカルなのは二次SS
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今夜は二本立てでお送りします。
しかも重要そうなところを。
しかも重要そうなところを。
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<ありすside 12月17日 14:00 海鳴臨海公園>
「うーん 気持ちいいなぁ」
「ひんやりー」
土曜日 お昼を食べて少しして はくとと一緒にひさびさの臨海公園にやってきたボク。
ちなみになの姉さんたちは 大学病院にお見舞いにいってる。
なんでこんな場所にいるのかというと ちょっとした理由があったりするんだよね。
ボクのケータイがメールの着信を伝える。
「・・・来たね」
「?」
「はくと これからボクがやろうとしてること みんなには内緒にできる?」
「できるー はくとはおねえちゃんのつかいまだもん」
「うん いい子だ」
臨海公園を中心に 少々広範囲の結界が広がっていく。
ミッド式の封時結界と ベルカ式の封鎖領域を混合したその結界は
アースラでもそう簡単に破れるものではないし 通り抜けられるものでもない。
これでボクとはくとはアースラスタッフの監視と保護から切り離される。
今頃異変に気づいてエイミィさんあたりが何かしてるかもしれないけどね。
ボクは歩き出した。 はくとも後からついてくる。
数十分後 とある家の前に到着した。
半年振りに訪れる 中丘町 八神家
最初に訪れたときはザッフィーを返り討ちにしたけど
今日はそのザッフィーも シグナムやヴィータも蒐集作業で居ない。
はやちゃんが入院してから帰ってきてもいないようだった。
その家に現在寝泊りしているのは 病院と家を往復しているシャマルさんだけ。
そう さっきのメールはシャマルさんから。
以前(4章5話参照)教えたアドレスを使って
はやちゃんのケータイを使ってボクに送ってきたものだった。
念話でもよかったんだけど 漏洩がこわいからね。
「・・・言うとおり みんなは居ないわ」
「そうみたいですね。 ボクのほうもなの姉さんたちは居ないですし
管理局の監視はふり切ってきました」
「ええ お見舞いが来るって言ってたし 結界を感じ取ったから その点は信じる。
それで 私と話をしたいってどういうことかしら?」
「ああ、勘違いしないでくださいね
"高町式"じゃなくて フツーの会話でお話したいだけですから」
玄関ではなんだからと 家の中に通される。
こうしてボクは ヴォルケンリッター参謀と直接対話に踏み切った。
「コーヒーでいいかしら?」
「おまかせします。 はくとには子供向けのもので」
「ミルクしかないけど いい?」
「はくとそれでいいー」
飲み物が出されるのはちょっと想定外。
シャマルさんもそれなりに乗り気なのかな?
「それじゃ 聞きましょうか あなたのお話とやらを」
「ボクの話 信じてくれると思っていいんですね」
「それは内容によるわね」
ボクは 最初から直球勝負に出ることに決めてきていた。
「単刀直入に言いましょう。 蒐集行為、これの危険性を
あなたたちが認識していないことを注告しにボクはここに来ました」
「愚問ね なにが危険なのかをはっきりさせなさい」
「では聞きますが あなたを含めた守護騎士は
書を完成させるとどうなるかご存知なのですか?」
「闇の書を完成させれば 主を真の主であることを闇の書が認め
闇の書が持つ力を最大限に発揮させることができる。
もちろん知ってるわよ」
「ですがそれは書が正常な状態であればの話です」
「闇の書が壊れているとでも?」
「ぶっちゃけると その通りです」
「・・・最初の質問だけれど 信用することはできないわね。
あなたが私たちを迷わせて時間を稼ぎたいとしか思えない」
「では 質問を変えましょうか。
あなた達は どうしてあの魔導書を【闇の書】というのですか?
何故本来の名前を呼んであげないのですか?」
「本来の 名前・・・ ??」
「やはり記憶にありませんか。
ボクたちの いや、これは管理局のほうでですが
超巨大データベース "無限書庫" を調査してわかったことです。
【闇の書】は内部プログラムの改変の結果生み出された名前にすぎません。
そしてその改変で 守護騎士の記憶もある程度転生ごとに消されてるんだと思います。
最近、騎士の誰かがそんな感じの話をしてませんか?」
「最近・・・ !?」
「心あたり あるんですね」
ちゃんと原作どおり進んでれば はやちゃんが倒れる直前まで騎士たちが話し合ってて
そのときにヴィータがそんなことを口走るはずなんだよね。
声に出しての話し合いで ボクは感知できなかったんだけど
どうやらちゃんとやっててくれたらしい。
「少しは信用してくれる気になってくれました?」
「証拠はっ!! 証拠はあるの!?」
かなりテンパるシャマルさん。 気持ちはわかるけど。
「ボクの幼馴染兼同胞のユーノが調べた無限書庫での調査資料を持ってきてます。
ボクらでもわかるよう日本語になってますんで
シャマルさんたちでも問題なく見れると思います。
ただこれも信用していただけることが前提の証拠ですけど」
「・・・見せてもらえるかしら? それからじゃないと何も言えないわ」
あ、ちょっと落ち着いたね。
空間モニターを起動させ 資料を開く。
同時にグラムからクラールヴィントにデータを流す。
シャマルさんはしばらくモニターに釘付けだった。
「どうですかね 多少は記憶の片隅にあるものがありました?」
「・・・ええ 断片的にだけれど」
「ああ、それはデフラクが要りますね」
「質問ばかりで悪いとは思うけれど いいかしら?」
「どうぞ」
「どうして会談相手に私を選んだのかしら?
こういうことならリーダーのほうが・・・」
「シグナムさんだったら最初のほうで切りかかってきたんじゃないかな。
文字どおり "(会)話にならない" ということです」
「ありうるわね。 それもあなたのカンかしら?」
「ボクのカンってより シグナムさんの性格上ほぼ確実にそうなるかと。
一応、ボクも "あの子" と同じですから その辺は分かります」
「それで あなたは私たちにどうさせたいのかしら?」
「本来のボクの立場なら "蒐集を阻止" なんでしょうけど
逆に "蒐集してもらいます" 。 ただしギリギリで止めていただきたい」
「どういうことかしら?」
「ちょっとしたボクの未来構想です。
今は "この事件の行く末をある程度知っている" とだけ言っておきます。
ただ、できるだけグッドエンドで終わらせたい それだけです」
シャマルさんは少し考え込んで
「私だけで答えを出すことはできない」という結論を出した。
「皆と考えさせて欲しいの 1日でいいわ 時間を頂戴」
「・・・わかりました それじゃ今日みたくメールで。
良い返答が返ってくるのをお待ちしてますね」
「それじゃそろそろボクらは帰りますね。
さすがに結界内にいるボクたちを心配してるでしょうから」
この結界、指定した人物以外は出ることはおろか入ることもできないように設定してある。
ボクとはくと シャマルさん以外をシャットアウトしてあるから
下手したら中にいるボクらを心配して駆けつけて
なの姉さんたちとシグナムさんたちがバッタリなんてこともありうるかもしれないし。
「おねえさん ごちそうさまでした」
はくとはずっとミルク飲んでたね・・・
シャマルさんは玄関まで見送りに出てきてくれた。
「1つだけ 言わせて」
「なんでしょう?」
「あなたと話せて たぶん良かったと思う」
「・・・ボクもです」
元々いた 臨海公園まで行き 結界を解除した。
思ったとおり 解除してすぐにエイミィさんが通信を入れてきて
『大丈夫? 何があったの?』と言ってきた。
ボクは知らぬ存ぜんを通す。 はくとも知らないと首を振った。
ちゃんと言いつけを守ってくれる使い魔でよかったよ。
シャマルさんのいうとおり 次の日の夕方には返事が来た。
"蒐集は続行する そちらの動向次第では協力も検討する" という曖昧なものだったが
とりあえず良しとすることにしよう。
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あとがき
だんだん複雑になっていくストーリーと
こつこつ蒐集されるフラグのバランスが重要です。
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