小説置き場
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取り扱い:リリカルなのは二次SS
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ごめん 意思戦で力尽きた・・・
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<ありすside 闇の書の内部空間 → 海鳴市近海上空>
「たっだいまー」
「おかえりー」
「ありす フェイトちゃん」
「ごめんなのは 心配かけて」
まだ作業が残るはやちゃんたちを置いて 先に外に出てきたボクとフェイト。
すぐ下には黒いドーム 防御プログラムが轟音を立ててうごめいている。
「他のみんなは?」
「シグナムたちは治療が済んでこっちに向かってきてる」
「ユーノ君たちも。 管理局員さんたちが来たから大丈夫だろうって。
それにクロノ君がもうすぐ到着するって言ってた」
メンバー集合中ってことか。
あとは集まって会議して 防御プログラムにフルボッコして終わり。
ぶっちゃけボクが居なくても ここまではなんとかなるだろう。
問題は終わった後なんだろうけど・・・
まず合流できたのは 作業が終わったはやちゃんだった。
ところが・・・
「おおっ 融合しないで来るとは・・・」
「なんだ 不服か?」
「いやぁ不服とかじゃなく 純粋に驚いた」
意思改めリインさんが はやちゃんと未融合状態で出てきたので 頭数2。
ちなみにはやちゃんが魔法使いとして完全に覚醒したので
リインさん無しでも飛べるしジャケット展開できるし それなりに魔法使えるらしい。
「うわぁ 並んだら本当にそっくり」
「本人もそう思ってるんだから仕方ない」
「なのはと言ったな。 すまない、そしてありがとう」
「ほらヴィータ リインさんはちゃんと"なのは"って言えるぞ」
「うっさい あたしだって練習中だっ」
メンバーはどんどん集まる
続いてシグナムたち守護騎士 その後ろからユーノとアルフさん 頭数5。
最後にクロノが到着し これで全員が揃った。
リインさんは戦闘時は融合状態になるので 実際に戦闘に参加するのは全部で12人。
この12人で下の防御プログラムをなんとかする。
会議の結果 原作どおりの方針をとることになった。
4層あるバリアを破壊 ブレイカー系の魔法で一気に本体を削ぎ
転送魔法で軌道上まで持ち上げて アルカンシェルで蒸発 以上。
文字で書くだけなら2行で収まるこの作業
本当にボクの出番が無かったので大幅省略。
「省略しちゃうのっ!?」
「だからなんでなの姉さんモノローグに介入してるのw」
というわけで 転送されていく本体コアを
アースラブリッジの様子を映した空間モニターで見守ってます。
もうあとはボクらができることも無いので 気が楽です。
アルカンシェルでキレイさっぱり消滅するのを見守ります。
その間に ボクはこっそりはやちゃんの近くに移動。
全てが終わり 歓声が上がって はやちゃんが倒れるのをキャッチ。
大事をとって全員アースラに移動ということになりました。 ←今ココ
<12月25日 4:00 軌道上 戦艦アースラ>
闇の書の闇をキレイさっぱり消去した直後 倒れたはやちゃん。
アースラに転送されてスグに医務室のベッドへ寝かされた。
ボクとリイン、それにアースラの軍医さんたちで検査とかが行われて
時間が経ったけど はやちゃんはまだ起きない。
「検査結果出たよ 足の麻痺以外 心身ともに異常なしだって。
リンカーコアも正常 初めての魔法があの規模だったから 疲れたんじゃないかな」
昨日からずっとはやちゃんにつきっきりだった騎士たちがほっとする。
「ああ 私からの侵食も完全に停止しているし
足も時をおけば自然に治癒するだろう。 だが・・・」
「何か問題でも?」
「問題があるのは私の いや、夜天の書のほうだ。
破損は致命的な部分にまで至っている。 歪められた基礎構造を修復できそうにない。
このままでは新たな防御プログラムを自動生成し また暴走を始めるだろう」
「今度暴走したら 次こそはやちゃんが飲まれる恐れ大かもね」
「管制人格である私から本来のデータが完全に消されているからな」
騎士たちが残念そうな顔をする。
暴走を食い止めるのに有効な手は 防御プログラムの無い今のうちの魔導書完全破壊
そうすれば 魔導書の付随プログラムである自分たちも当然消える。
とか考えてるんだろう。
「・・・もしかして これではやちゃんとお別れかぁなんて考えてない?」
「ああ でもこうなる可能性があったことくらいは知ってたし・・・」
「それじゃとりあえず その考えは捨てちゃっていいよ」
「何っ?」
「守護騎士システムは ついさっきボクが分離しておきました♪」
「だからお前たちは残る。 逝くのは私だけだ」
ちょっと希望が見えて顔がほころびかけたところで
最後の部分を聞いてまた沈む騎士たち。 浮き沈み激しいよ 気持ちは分かるけど。
なの姉さんたちへは クロノを介して説明してもらっている。
たぶん騎士たちの心配をするだろうから 本人たちに出てもらって
安心してもらおうと シグナムさんたちを食堂に向かわせた。
ヴィータははやちゃんのそばを離れようとしなかったので そのままにしておく。
ボクとリインは 別の部屋に移った。
アースラ艦内にあるメンテナンスルーム
ここで完全破壊に向けた夜天の書の調整をしている。
「お前には最初から最後まで迷惑のかけっぱなしだな」
「キニシナイ この身体に転生したときから少しは覚悟してた。
それと "お前" じゃなくて "ありす" だから」
「そうだな すまないアリス」
最近カタカナで呼ばれてもボクは反論しない もう諦めた。
「そういうリインは夢で会ってから最後まで謝りっぱなしだね」
「仕方ない そうしなければならないような年月を送ってきたんだ。
何百年という長い長い年月をな」
「ねえ、本当に逝く気? 少しだけでも時間くれればボクがなんとかして・・・」
「もう決めたことだ。 私は世界一の幸福を主にもらった それだけで十分。
そのお返しに 私は今度こそ主の真の願いを叶えたい。 確実な方法でな」
夜天の書の内部プログラムをいじり
メインだった防御プログラムのほかにも入っていた保守プログラムを消去
完成まで機能していた仮管制システムへの再移行(破壊によるリインの痛み軽減になる)
その他邪魔になりそうなプログラムも次々消去していく。
「ボクに今すぐメインシステムがいじれる技術があれば
リインも消えないで済んだかもしれないのにね」
「無いものを強要するのは無能なもののやることさ」
「なんていうか ごめん」
デバイスのOSはパソコンより遥かに複雑なのです。
時間をかけてならできるかもしれないけど 新防御プログラム生成のほうが確実に早いだろうし。
「私は気にしていない。 むしろ私はアリスたちに感謝しなければならない。
おかげで 私は主を食い殺さずに済み 騎士たちを残してやれる」
「そういうのは後でなの姉さんたちに言ってあげてね」
フライングしすぎです。 雪原で言うセリフでしょうそれ。
「それに あの時・・・」
「えっ?」
「お前と金髪の子を吸収しただろう。
主が覚醒したとき 私の記憶が主に流れたように
あの時にアリスの記憶が少し私に流れてきたんだ。 そして私は未来を知った」
「未来と言うか起こりうる可能性だけどね もうほとんど役に立たないだろうけど」
「それでも私には決断するに足りうるものだった。
私がいなくても 主は幸せに暮らしていける。
私がここで消えても 祝福の風の名は次の子に引き継がれていく。
正直 泣きそうになった。 変だろう 私は道具でしかないと自分で言っていたのに」
「いいんじゃない泣いたって そんな魔導書があったっていいとボクは思うよ。
騎士にも感情があったんだから その本体に感情があったっておかしくないって」
「・・・ありがとう」
「それに忘れないで ボクだって元は君なんだってこと」
「・・・そうだったな」
「主には融合したときに私の技術を残してきたが
アリス、お前にも残しておきたいものがある。 受け取ってもらえないだろうか」
「へっ? 何だろう」
「手を 片方でいい 貸してくれ」
「あ、うん・・・」
コンソールを叩いている利き手は忙しいので そうじゃない手を差し出す。
リインは自分の手でボクの手を握り 目を閉じた。
何かが 手を伝ってボクに入ってくる。
全く新しい感覚に コンソールを打つ手も止まってしまった。
「・・・終わりだ ありがとう」
「どういたしまして。 じゃなくってコレって!?」
「元々私と同一であるアリスには 説明はいらないだろう?」
「いや無くてもわかるけど ボクにどうしろっていうの」
「平和的に利用してやってくれ 私が私であった証明にもなる」
リインがボクに残しておきたかったと言って渡してきたのは
"瞬間次元転移能力" "蒐集能力" "広域攻撃の魔法資質" だった。
ボクに二代目闇の書の意思やらせようとしてません?
平和的に 使えるのかなぁ?
<12月25日 現地時間 7:00 第97管理外世界にほど近い世界のとある丘>
なの姉さんとフェイトを連れて 惜別の地へと向かう。
以前ヴォルケンと戦ったことがあるこの世界、
高台からは海も見えて なんとなく海鳴市に近い雰囲気がある。
はくととアルフはまたお留守番。
はやちゃんにはユーノについてもらっている。
「ああ 来てくれたか」
先に来て待っていたリインがこっちに気づいて振り向く。
「リインフォース さん・・・」
「そう呼んでくれるのだな」
「寒くないんですか?」
えっ そっちの心配?w
言われてみれば寒そうな格好だけど・・・
「あなたを空に還すの わたしたちでいいの?」
「お前たちだから 頼みたい」
「はやてちゃんと お別れしなくていいんですか」
「主はやてを悲しませたくない。 それに・・・」
「それに?」
「いや、なんでもない」
さてはボクの記憶で 儀式の途中ではやちゃんが来ちゃうのを知ったな・・・
遅れて ヴォルケンリッター4名が到着した。
今気づいた リインもだけどヴィータもすごい格好。
「・・・それじゃ はやちゃんが気づく前に始めよっか」(無駄だろうけどね)
「そうしよう 夜天の魔導書の 終焉だ」(ああ、無駄だろうな)
<ユーノside 12月25日 4:00 海鳴市中丘町 八神家>
「あっ 雪・・・」
アリスやなのはに頼まれて 夜天の主であるはやての様子を見ている僕。
ふと外を見ると ちらちらと白いものが舞い降りてきているのが見えた。
「これがなのはの言ってた "ほわいとくりすます" っていうやつなんだ」
昔のえらーい人の誕生日を皆で祝う行事らしい。
みんなで集まって 騒ぎ楽しんで ケーキを食べて・・・
「そういえばなのはの家 昨日は戦争だって言ってたっけ」
なのはが抜けて大変だっただろう。
今頃 夜天の書を完全破壊する儀式が行われているはず。
複雑な気分だろうなぁ 騎士も なのはたちも そして、アリスも・・・
「ん、うーん・・・」
おっと はやてが起きそう。
「あっ おはよう。 気分悪かったりとかしてない?」
「君は・・・ そうか 夢やなかったんやな」
「大丈夫みたいだね 僕はユーノ・スクライア なのはたちの友達」
「ユーノ君やな 八神はやていいます」
「うん 知ってる。 君が夜天の書の主だってことも」
「夜天・・・ そうや みんなは、みんなは何処におるん」
「守護騎士たちのことかな。 今ちょっと出てるけど・・・」
「ヴィータたちのこともやけど リインもや。 ユーノ君知っとるんやろ」
「いやぁその・・・ ごめん僕の口からは・・・」
「いいや吐いてもらうで。 ううん違うな、場所知っとるなら連れてってもらおか」
「ええっ!? (それはマズイんじゃ・・・)」
「エエもオオもない わたしは夜天の主や みんなの無事を確認する責任がある。
初対面で申し訳ないとは思うけど 手伝ってもらうで」
いや、確かに責任あるかもしれないけど連れてこないでって言われてるし・・・
あーでも断れる雰囲気じゃない。 僕はどうしたら・・・
そ、そうだ こういうときにアレを持ってるじゃないか僕。
ポケットに・・・ あった。 悩んだときのLI○Eカード。
さあ、今このときにするべき僕の行動は!!
[服従] [考えるだけ無駄] [諦める]
ですよねー orz
<ありすside>
リインのベルカ式魔法陣を中心に
右手になの姉さん 左手にフェイト 後方に騎士たち
そして前方にボクをおいての儀式配列をおく。
『 Ready to set 』 『 Standby 』
二人のデバイスが準備完了を伝える。
グラムは夜天の書本体の消せなかった保守プログラムの介入妨害をしている。
「ああ お前たちにも世話になった」
『 Don't worry 』 『 Take a good journey 』
デバイスを見送るデバイスってのも変わった組み合わせだね。
「リインフォース! みんな!!」
この場に居ないはずの人の声が高台に響く。
はやちゃんと そのずっと後ろからユーノも来てる。
『・・・やっぱり駄目だったか(by アリス&リイン 発音はアリス)』
『ごめん 僕では彼女を止められなかったよ』
『いや いいよ 期待してなかったし』
『は?』
面食らったユーノを尻目に 意識をこっちに戻した。
こっちでははやちゃんが必死に儀式を止めようとしている。
あ、コケた。 雪原に投げ出されるはやちゃん。
「なんでや これから、これからもっと幸せにしてあげなあかんのに・・・」
そのはやちゃんの側に寄り添うリイン。
「大丈夫です。 私はもう 世界で1番幸福な魔導書ですから。
ただ1つだけ お願いを聞いていただけるでしょうか 主はやて」
無言で答えるはやちゃん。
「私は消えて 小さく無力なカケラへと変わるでしょう。
ですが もしよろしければ 私の名はそのカケラではなく
あなたがいずれ手にするであろう 新たな魔導の器に贈っていただけますか?
"祝福の風 リインフォース" 私の魂はきっとその子に宿ります」
(あまり幼すぎるのもどうかと思うが・・・)
「・・・リインフォース」
「はい 主はやて」
動けないみんなに代わって ボクがはやちゃんに手を差し伸べた。
(実はロジックBにしとけばボクが居なくても良かったりする)
ユーノと二人で はやちゃんを車椅子に戻してあげる。
「主はやて 守護騎士たち そして 小さな勇者たち」
リインの体が透けていく。 いよいよ お別れだ。
「ありがとう そして さようなら・・・」
光の粒となって空へ還っていく夜天の魔導書。
その場に居る全員が 遠く高く上る光の帯を見つめていた。
光が全て昇ると共に 地面にあった魔法陣が消える。
そして・・・
「あっ・・・」
はやちゃんの手元めがけて落ちてきた 剣十字の紋章。
と、なんかもう1つ落ちてきた。
こっちは表紙が真っ白で文庫本サイズの本。
2つは同時にはやちゃんの手へと降りる。
「はやてちゃん」 「はやてぇ」
なの姉さん・フェイト・そして騎士たちが駆け寄ってくる。
はやちゃんは悲しみで涙があふれそうになっていた。
「みんな ごめん ありがとな・・・」
「ううん。 大丈夫?」
「平気、って言ったら嘘になる。 でも 大丈夫や。 夜天の主やからな」
そういって顔だけでも笑顔を作りながら(顔だけで中身は泣いてるのが判るから辛い)
先ほどの本のページを1枚捲る。 そして何故かすぐ閉じた。
「アリスちゃん」
「ん、何?」
「これは アリスちゃん宛てみたいよ」
本をボクに差し出す。 ボク宛て?
受け取った本を ボクも1ページ捲ってみる。 そして納得した。
その本の1ページ目には こう綴られていた。
"" Ich liebte es 《Vom nächtlichen Himmel heiliger Ritter》, Danke. ""
(私が愛した "夜天の聖騎士" よ、ありがとう)
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あとがき
最終戦なんかダイジェストみたいに・・・
ずっとリインのターン
とりあえずやりたかったことは大方できました。
リインと主人公の二人っきりなお話に能力移譲
リインに伝染った原作知識と それによる追加効果
○イフカードネタ (思わずここに持ってきた 後述)
そして 最後に出てきた謎の本と そこに書かれたメッセージ
リイン生存フラグは今回折らせていただきました。
主な理由は主人公で代用が効くため。
終焉イベントの会話文は原作からほんの少し変えてあります。 仕様です。
イベント会場が海鳴でないのは時間と周辺の明るさの差があまりにもあるため。
はやてを駆けつけさせるためにユーノ配置 これら全て後付けだったりします。
せっかくなのでユーノに何かしてもらおうとして こうなりました。
謎の本に関しては後々に。
まだA's編(及び6章)は続きます 25日のお話と後日談がありますので。
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