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小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
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8作目の足掛け準備章
今回の0章はこれだけ 次回から本編です


今回のは わりとでっちあげ設定が多いです
かねてからの予告どおり2期終了まで連載の予定

カテゴリー : 時間転移 影の薄いオリキャラ 真の主人公は・・・ 物語は原作に準じます










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その昔  多くの諸侯や王家が乱立し 対立していたベルカ戦役時代、
名を馳せる強豪があれば その名声の犠牲となり 絶える者もあった。
力をつけるために 自治領を拡大していく者もあれば
混乱に乗じ暗躍する裏の組織も 少なくは無かった。
管理局なんて組織は当時まだ無く 質量兵器が横行する 鉛色の時代・・・




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   【SIDEOUT】
     ≪とある小国≫
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ここに 今まさに最期を迎えようとしている小さな国があった。

北の果てにひっそりと 争いも無く静かに栄えたこの王家も
戦役が長引くとともに頭角を現した戦略国家に侵攻され
領地はみるみるうちに奪われていった。

人々は国の中心部 とは名ばかりの集落へ集まっていく。
この国を治める王とされた集落の長は ある家系が代々受け持っていたが
当時の、事実上最期の長となった男は 歴代の長の中でも特に戦嫌いの平穏な男だった。
裏返せば だからこそ最後の長となったのかもしれないのだが。



長は 民衆に無血降伏を申し出た。
力をつけるための侵攻であり 目的は広大な土地、
先方も抵抗しない者への保障を受け入れている。

もちろん 約束を守るとは限らないという声はあった。
しかし 元よりこの国に戦う力自体無く
民衆は長の提案を受け入れた。
受け入れるしかなかった ともいえるかもしれない。



長の指示で 若者は数日の内に 次々国を去った。
この地に残っても 兵役されるだけ そう判断したのだ。

残った者は 先も短い老人や 土地を離れることに抵抗を持つ一部の者
そして 長に恩義や借りがある数十名と 長の家族のみ。










「すまぬ 我がふがいないばかりに・・・」
「長 我々は自分の意思で残った 気にしないでもらいたい」

国を動かす小さな議会に 長とその家族 それに臣が数人が集まっていた。
小さいとはいえ 百数十人を集めていた議会は冷え切っていた。
厳しい冬 それも年の暮れではあったが そのせいではないことは
長の子供たちも感づいていた。


「先方は 何と?」
「数日の内に ここも明け渡せと言うておる。
 どうやら属国としての存続も認めず 完全に吸収してしまうようだ」
「!? では 長は・・・」
「言うな 覚悟はできておる」

旧国の長なんぞ なんのメリットも齎さない。
存在価値がない つまり そういうことだ。



「我は長として 最後の仕事をするだけのことだ。
 だが 子供達にはその義務はない。
 できることなら 何にも縛られない普通の人として 育ってもらいたいものよ」

もっとも ”普通の”生活は厳しいやもしれんが とは口にはしなかった。
本人が目のまえにいる。  あまり不安な想いはさせられない。


「では 【あれ】を?」
「うむ 内密に整備させておいた」




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古代ベルカ時代において
遺伝子技術で自らの予備を作ることはごく普通のことである。
しかし それは中央の大国の話であり
この国に そんな大それた技術は無い。

かわりに 寒さ厳しい北国であることが幸いし
こと長期間の保存技術には長けていた。
その技術の極みは コールド・スリープ 冷凍睡眠装置である。



議会の直下 隠し通路を抜けた先に
この国の技術を集めた小部屋が作られていた。
文字通り国の最高機密である。
とはいえ 民衆に秘密にしていたわけではないので
噂となって他国に流れているかもしれない。
あるいは先方の真の狙いは こちらかもしれない。
いずれにしても あまり時間は無かった。





「さあ我が子供達よ おやすみの時間だ」

長は自らの子供、息子と娘の二人を
装置の中心に抱え入れる。

そこそこ物心が付いた息子は 悟ったかのように
文句ひとつ言わずに一人掛けのシートに座る。

が、数え3歳の娘は
父親が離れようとすると駄々をこねた。
母親を早くに亡くした娘にとって 兄と父が全てだった。
それが一人で座っていろと言われ 不安なのだろう。


「これこれ そんなに駄々をこねるでない。
 お前は一人ではない 兄も隣(の装置)におるし
 お前の【トモダチ】も一緒だ。  ほれ、見えるところにおるじゃろう」


トモダチと称された”それ”は
確かに娘の見える場所に”あった”。
安心したのか 駄々をやめる娘。

手をはさむまいとしていた装置の扉が下りる。
トモダチは 扉の窓越しに見える。


「・・・どれくらい持つ?」
「問題なければ千年は」
「そうか」





導眠ガスが入り 子供達は眠りについた。
永い永い眠りに・・・

「これでいい 我らの代で 決着はすべてつける。
 子供達には 新たな世界を生きてもらうのだ」




お前達の父親で良かったよ

長の 子供達へかけた 最後の言葉である。



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無血降伏した小国は
その後侵略した国と共に 戦乱の中で滅亡することとなる。
幸い戦地から北に大きく外れた 議会を中心とするこの街自体に大きな被害は無かったが
極寒の地に住もうとするものも無く  周囲の森林資源は早々に取り尽され
以後数百年 荒れたまま無人で放置されていた。
あの小部屋は 隠された扉を硬く閉ざしたまま・・・





次に扉が開かれたのは 戦役が伝説となりかけるほど永い年月を経た
新暦60年代中盤のこと。






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