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小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
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順調に魔改造されるユーノ







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フェルがひとり 現実を受け入れる時間を要している頃





地下施設の奥まで連れられ ようやく開放されたユーノだったが
彼はフェルをそのまま放置していける子ではなかった。

目的の部屋よりさらに奥にも 装置が置かれていたらしい区画がある。
フェルは主のほかに 妹と頼りになる臣下を十数名同伴させていたと言っており
その人たちの装置があるのだろうという結論に行き着く。
ここまでの設備はほとんどが使い物にならないほど壊れていたが
フェルのいうとおり一部生きていた端末もあり 諦めるにはまだ早い。
この場でユーノは そう判断した。



ユーノは単身 奥の区画を回り始めた。
怨念や祟りがあるかもしれないと 最初はおっかなびっくりだったが
彼の心の中では 興味と同情が勝っていた。
ここまでの道中 罠らしきものも無かったため
度胸を決めて どんどん先に進んでいく。



区画には ネームプレートが掛けられていた。
ユーノはそれが読めることに気づく。

これはフェルに動かされていた際
記憶領域、つまり脳の一部を一時メモリとして使われていたのが残っていたためだが
ユーノ本人は知る芳も無かった。
それよりも つい先程まで読めなかった文字が読めることが探究心を擽る。
現在地表示があることにも気づき おかげで道に迷うことも無かった。









結論を言えば 他の区画も同様に機器が瓦礫に埋もれ 壊れていた。
ただ1箇所 通路が埋まっていて確認できない区画がある。


(ユノ)(きっとここにも 誰かがいたんだろうな。
     これ、突破できないかな?)


フェルならば 先程のように瓦礫を崩していっただろうが
今はユーノ単身だ それができるとは限らない。
今までのユーノならば であるが。


ユーノは先程の真似をしてみることにした。
フェルは 自分の力を借りるといってあの術式を使った。
使っていたのが貸していた自分自身の力ならば ひとりでもできるだろう と。
術式は自分の目で見たし それとなく脳裏に残っている。
理論上は 可能なはず。

いつものミッド式の感覚で術式を構築する。
形式やスペルが違うだけだ。 資質があるなら発動できるはずだ。
さっきはできたじゃないか 大丈夫だ そう自分に言い聞かせながら。




術式は ユーノの想いと魔力を乗せて起動する。
自分の魔力光、翠色に あの三角形だ。   これなら できるっ!


(ユノ)「せぇい!!」



確かに術式は 発動した。
しかし真似事に過ぎないそれは 威力が桁違いにしょぼかった。
そして そのまま瓦礫を叩いたユーノの拳に 激痛が走る。
先程は鎧の上から 今回は素手。    当然 痛い。  すごく痛い。


(ユノ)「いったぁ・・・ 失敗失敗・・・」

ヒーリング(慣れ親しんだミッド式)をかけつつ
術式発動には成功したことに喜んだ。

学校では攻撃術式に向いていないと判定されていた。
が、それはミッド式においての話 少数派であるベルカ資質までは計測されない。
そんな自分でも使える攻撃術式があった。
今後磨き上げれば 将来実用レベルまでもっていけるかもしれない。



それよりも 今は瓦礫の先だ。
威力がしょぼかったせいで 少ししか破壊できなかった。
だが少しでかまわない 変身魔法を使えば通れる程度の隙間は確保できた。

ユーノは 一族ではおなじみの変身魔法で小動物になり
瓦礫の壁を突破した。




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瓦礫の壁の先は 正真正銘の最奥区画だった。
そして奇跡的に 装置は生きていた。

ネームプレートには『TIR』と書かれている。

(ユノ)「ティア・・・ ううん、ベルカ読みだから ティルかな?」


装置の扉を覗き込む。
中には自分より幼い 白肌の小さな子が・・・

(ユノ)「おんな のこ・・・」




「その手を離せ無礼者!!」



またまた 知らない声が響いた。
声がした方向 後ろを振り向けば
入り口からは死角になっているところに小さな装飾具が置かれてる。


[??]「!! 貴方は・・・  いや、似ているだけだな 貴様何者だ」
(ユノ)「君もデバイス・・・  もしかしてフェルの知り合い?」
[??]「何故その名を・・・  気安く語るな 怪しいヤツめ」
(ユノ)「知り合いなんだね 待ってて、呼んでくるから」


フェルを知ってる 人ではないが知り合いらしいものを見つけた。
これでフェルに少しは立ち直ってくれるかもしれない。
ユーノは急いて来た道を戻った。

おいてかれて話が見えない装飾具は どうすればいいか分からず
何も言わずそこに居ることにした。








[フル]「まさか これは奇跡でも起きたのか」


ユーノの身体を無理やり動かしていたフェルは
今度はユーノに無理やり連れてこられた区画で
あきらめかけていた知人と再会することになる。


(ユノ)「やっぱり知り合いだったんだね」
[フル]「知り合いなんてものじゃない。
    その装置におわすのは 我が主の妹君、
    お前に話しかけていたのは 俺と同期のアーモルデバイスで
    俺の妹のようなものだ」
[??]「久方ぶりです 兄上。
    あれから幾年の年月が経ったのでしょう」
[フル]「聞いて驚け 少なく見積もって700年は経っているらしい。
    そこの ユーノの協力でここまでたどり着けたんだ」
[??]「そうでしたか では先程は失礼をかけてしまいましたね。
    私はメルセデス 我が主、ティル姫の専属守護機。
    メル、とお呼びください」
(ユノ)「ユーノ・スクライアです。  って姫様なんですか この子」
[フル]「そうだ とはいえ最早、生き残ったのは姫だけになってしまったが・・・」


推定700年前の人間が 目のまえで眠っている。
歴史的発見を通り越して 事実が空想に思えてくるほど壮大だ。
だが 姫と呼ばれた子は確かにユーノの目の前にいた。
ただ 永い時間を眠っているだけである。






最奥だったことが幸い 装置もなにも問題なく動作していた。
しかしそのまま眠らせておくわけにはいかない。
他の部屋は壊滅状態 ここもいつ崩れるか分からない。
もとより フェルは彼女や主たちを起こすのが使命なのだ。
起こす対象が 彼女だけになってしまったが・・・


ユーノは 装置の操作端末の前に立った。
見たことも無いはずのプログラムだが なぜかユーノには端末の操作方法が分かる。
これは文字通り フェルの”入れ知恵”だろう。  と、ユーノは判断した。
なんらかの不具合で彼が道中で機能停止しても
操作できるようにしていたのかもしれない。





パスコードも難なく通し 最後のキーを叩くと
装置の扉がゆっくりと開いた。

中にいる幼女をまじまじと見つめるユーノ
見かたを間違えれば ロリコンである。
薄い着衣があったのは まだ幸いだったかもしれない。
何も無かったら 問答無用でアウトである。
どこかの真っ黒執務官にお縄にされていたかもしれない。



(ティ)「・・・ん うーん・・・」

ほどなく 彼女が目を覚ました。
どうやら長年の眠りによる支障は無いようだ。


(ユノ)「目がさめたみたいだね」
[メル][スクライア君、私を姫のもとへ。
     彼女は生まれつき身体能力に異状があって
     自力では満足に動けないの]

言われたとおり メルを彼女に渡す。
チョーカーだったようで 首元に装着されたメルは
運動補助のためと思わしき靴と指出し手袋
ミッド式のバリアジャケットのアンダーに当たる 騎士服を生成した。



メルの運動補助を受け
ティル姫が ゆっくり身体を起こす。

(ユノ)「大丈夫? 痛いところ無い?」
(ディ)「・・・」

ユーノが話しかけるが 返事は無い。
青い目が じっとこちらを見つめている。


(ユノ)「あれ、翻訳魔法がうまく動いてないのかな・・・
    僕ベルカ語は読めても話せないんだけど」

(ティ)「・・・兄(にぃに)?」
(ユノ)「はぃ!?」




衝撃的かつ想定外すぎた第一声だった。





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