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小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
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やはり盆期間は更新できませんでしたね
そのせいで 前置きに結局半月かかった・・・








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小一時間ほど滞在した地下区画を抜け
ユーノは最初の広間に戻ってきた。

広間には 馴染みの男たちがいた。
ふと広間を見て 居るはずのユーノがおらず 心配し探していたのだろう。
ユーノの姿を見て すぐにかけよってきた。



(男A)「ユーノ、お前さん何処にいってたんだ 心配したぞ」
(ユノ)「すみません この先に行ってたんです。
    連絡もせずに お騒がせしました」
(男B)「好奇心はいいことだが 罠があっちゃ大変だ。
    これからはまず声をかけて・・・   誰だその子は?」
(ユノ)「あ、あの えっと・・・」


ユーノの背中に陣取った ティル姫。
離れたくないという想いがメルを通じと増幅されているのか
外見3歳とは思えない力で服をつかんでおり ユーノでは引き剥がせられない。


(ユノ)「後で必ず説明します。
    それよりも あの噂の物的資料がこの先にあったんです。
    持ち出していいそうなんで 手を貸して欲しいんですが」
(男B)「なんと 大手柄じゃないか 一族の誇りだぜユーノ」
(男A)「早速人手を集めよう 忙しくなるぞ」



大人たちが慌しく動き出す。
ユーノと少女のことは二の次という勢いで。

あの最奥の区画は 持てるだけのデータを持って完全に破壊してきた。
当時の最新鋭技術も 現代においては良いほうの需要はない。
むしろ 裏組織に狙われる可能性のほうが高かった。
ならば存在しなかったほうが幸福だろうから。



(ユノ)『・・・そういうわけですから みんなには話します すみません』
[フル]『構わん 俺の使命は果たした。
    あとは風行くまま流れるままにしかならんさ』




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   《回想 ほんのちょっと前》
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小さいとはいえ一国の長の娘に
兄呼ばわりされたユーノ。


[フル]「無理も無い 寝ぼけておられるのもあるだろうが
    ユーノ お前さんは我が主によく似ているんだ」
(ユノ)「似ている? 僕が?」
[フル]「ああ 顔つきなんかは瓜二つだな。
    それに主が封印されたのも 丁度お前さんの年頃だった。
    髪や目、魔力の色や性格は違うんだが・・・」


初見、メルセデスが一瞬だけたじろんだのも これが理由だった。
そのうえ フェルを扱う適正があるとなると ユーノも他人事と思えなくなってくる。


[フル]「お前さんもしかすると 主の生まれ変わりなのかもしれんな」
(ユノ)「そんなまさか 僕は偶然ここに来て・・・」
[フル]「果たして 本当に偶然だったのやら・・・」



知っているか? 運命なんてもんは無い。
人生は99%の偶然と 1%の努力の結果なんだ。



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   《回想おわり》
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その夜


街跡の近くに設けられたスクライアのキャンプで
臨時の集会が行われた。
一族総出でこの世界にやってきていたので
長老はじめ 主要メンバーは全員揃っている。




最大の議題は ティルの処遇。
古代ベルカ人 それも当時からの生き残りとあっては
管理局 もとい聖王教会がまず黙ってはいない。
かといって スクライア一族で匿うわけにもいかず
依頼人と請負人の繋がりが太い間柄 ここで隠しても いずれは双方に知れる。


当のティルは 寝るときですらユーノから離れようとしなかった。
兄とは別人 とは感づいているようだが
兄に似た優しい人 というのは幼い子を安心させるには十分な存在らしい。

だがユーノは当事者として集会に出なければならない。
結果 今現在もユーノの背中を彼女が陣取っている。
毛布をかけられ すやすやと寝息をたてていた。



(長老)「この子には 身寄りがおらん。
     それだけは はっきりしておる。
     一族としては 迎え入れるのがスジではあるが・・・」
(男C)「教会や管理局と対立するのはマズイっすよ。
     オレら彼らの後ろ盾で食ってるようなもんっすから」
(男D)「でも 俺にはできねぇ 見てみろこの安らかな寝顔 お前に崩せるか?」
(男E)「この子を立てれば俺らが立たん
     かといって教会を立てればこの子が可愛そう か・・・」


スクライア 根はいいやつしか居ない集団だった。



(長老)「ユーノに聞く お前さんはどうしたい?」
(ユノ)「僕ですか?」
(長老)「そうだ これはお前さん自身の問題でもある。
     彼女を教会に渡すのは簡単だ が、お前はそれを良しとはせんだろう。
     ちいちゃな頃からお前のことはよう知っておるからな」
(ユノ)「・・・はい」
(長老)「だが聞いてのとおり 現状では双方を立てることはできぬ。
     しかし一つ 万事解決する手もある。
     ・・・頭の良いお前のことだ わしが言わずとも分かっておるじゃろうがな」



管理局や教会と 一族の関係を悪化させず
なおかつ彼女にとって幸せである おそらく唯一の選択肢


(ユノ)「僕が この子と一緒に歩むこと ですよね」



ティルとユーノ ふたりを引き剥がさず
将来引抜があっても 共に暮らしていく。
これならば双方の立場は悪くはならないし
ティルが孤独になることも無い。

痛手があるのは 一族としてのスクライアだけだ。
将来有望の若手が ひとり居なくなってしまうのだから。
しかし裏を返せば 一族から大出世が出るとも見ることが出来る。


(ユノ)「僕は みなさんにいろいろお世話になりました。
    それをお返しできなくなることは 辛いです。
    でも それで女の子をひとり救えるなら
    僕自身はどうなってもかまわないと思ってます」




(長老)「皆から異存は無いかな?  では 決まりだな」





ユーノの決まっていたはずの未来は
こうして先の見えない夜道へと転換していった。

あくまで引抜があればの話なので
それまでは今までどおり 【スクライア一族のユーノ】として生活する。
同時に 【スクライア一族のティル】として 彼女も受け入れられた。

あの研究所で見つかった歴史的発見のうち
いくつかはユーノがもうすこし成長してから 彼の功績として発表されることが同時に決まる。
おそらくは これが教会の目に留まるだろう。
それまでは平穏な日々が続く。




何も変らないわけではない
ユーノは 探索の傍らベルか術式の練習を始めた。
己のための拳ではなく 彼女のための拳として である。
古代の戦術ですら 護るために使おうとする 結界魔導師の鏡だ。


そして ユーノの腕にはあの腕輪。

フェリクスは ユーノと正式な契約を結んだ。
元主が亡き今 彼を扱えるのはおそらくユーノだけ。
教会へ赴くのも辞さないと決まった時 フェルから申し出た。
ユーノも訓練のサポートを欲していたため 双方の利害は一致。
元々デバイスマイスターの技術は学校で噛んでいたものの
デバイス自体を持っていないユーノにとっても ありがたい提案だった。





ユーノとティル
二人の出会いは ほんの偶然から。
二人の行く先は 誰にも分からない。



運命の歯車が 次の歯車を噛み始めるのは
二人の出会いから 1年後





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