忍者ブログ
小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
[524]  [523]  [522]  [521]  [520]  [519]  [518]  [517]  [516]  [515]  [514
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

PC更新で1日遅れましたが
今回は補填ありません あしからず
あと今回ちょっと長めです カットできる場所がなかった


夢の終わり フェイト編









------------------------------------------------------------------------------------------
   【SIDE FATE】
------------------------------------------------------------------------------------------



通り雨と思っていた雨は なかなか止まない。
強くなる気配はないから 軽く濡れるだけで帰れると思う。
わたしには それができなかった。


この世界の母さんは 記憶の中にいた優しい頃の母さんだった。
本来はアリシアに向けられたもの それは分かってる。
あるいは別れ際に教えてくれた言葉は その欠片だったのかもしれない。
それが今は わたしたち3人に満遍なく向けられている。
逆に 違和感を覚えた。


母さんの使い魔 リニスにも違和感があった。
リニスが使い魔になったのは わたしの教育のため。
アリシアだった時はただの猫だったはず。
だから アリシアと人間体のリニスが揃うことは無い。
たとえ 母さんとアリシアが本当にアルハザードにたどり着いたとしても
リニスは何年も前に完全に亡くなっている。 だから使い魔にできた。
使い魔として 私の魔法の先生として過ごしたリニスも
私になにも言わずに姿を消した。 契約満了だったんだろう。
だから ここに居るはずがないんだ。


記憶の中にあった場所
記憶の中でしか会えないはずの人物  、とレヴィ
ひとりは例外としても その2つが一緒に存在できるはずがない。
だから ここはわたしの想像 『夢』の中なんだと結論付けた。
そこが夢だと分かる夢 そんなものがあると聞いたことがある。



夢ならいつかは覚めるけれど
それが現実で手遅れになった後では遅い。
そこまでは理解できた。




(アリ)「フェイト、顔色悪いね 大丈夫?」
(フェ)「えっ あ、うん大丈夫だよ」
(レビ)「嘘だ ボクには分かるぞ。
    へいとは今日 起きてからずっとそんな顔だもん」
(アリ)「え、そうなの?
    やっぱりリニスに診てもらう?」
(フェ)「だ、大丈夫だって 大丈夫だから・・・」
(アリ)「ほんとに~?」

全てを見透かす瞳がわたしを捉えて離さない。



・・・そうだよね 元々わたしはアリシアを元に作られた存在。
わたしとアリシアはほぼ同一の存在だったんだものね。
性格は違っても考えることは一緒、
自分に嘘はつけないか。



(フェ)「ごめんアリシア。 レヴィも。
    少しお話いいかな」
(レビ)「えーなになに? ボクちょっと興味~」
(アリ)「やっぱり隠し事してたんだ。
    お姉ちゃんには隠し事なんてダメだよ さ、話して話して」
(フェ)「うん ちょっと変なこと聞いちゃうんだけどさ、
    ”ここは、現実の世界じゃないんだよね。 わたしの夢の中なんだよね。”








わたしの推測を 隠すことなく話した。
その突拍子も無い話を ふたりとも静かに聴いてくれた。
変だよね ここが想像の世界じゃないかって話は。



(アリ)「・・・お話はおわり?」
(フェ)「うん ごめんね おかしいよね」
(レビ)「そーだよ へいとの考えすぎ・・・」
(アリ)「そうだよ フェイト あなたの考えてるとおり」
(レビ)「ちょっ アリシア!!」


ここで肯定されるとは わたしも思ってなかった。
もしこの夢が ナハトヴァールが作った世界なら
ふたりともわたしを足止めする方向で動くと思ったから。
レヴィはそう動いた けれど アリシアはそうではなかった。
アリシアは わたしより小さいけど やっぱりわたしの姉だった。



(アリ)「レヴィ、いいの。
    フェイトは もう確信してる。
    現実に帰りたがってる」
(レビ)「で、でもさ ここだったらアリシアもお姉ちゃんできるんだよ?
    ボクはいつでもへいとに会えるけど アリシアはこれっきりなんだよ?」
(アリ)「それでも フェイトが望むならそれでいい。
    わたしはフェイトのお姉ちゃんだから」


そう ここが本当にわたしの夢ならば
この世界を否定したら アリシアは消えてしまう。
きっと母さんも リニスも このきれいな丘や庭園も。
・・・レヴィも?


(アリ)「フェイトには自分の世界がある。
    そこに 私の居場所はもう無い。
    私を乗り越えて フェイトは未来を掴まなきゃいけないの」
(フェ)「そういえば母さんも言ってた。
    自分で未来を決めなさいって。
    ごめんなさい アリシアを否定する気はないんだけど・・・」
(アリ)「いいよ 待ってるんでしょ 大切な人が。
    行って 自分のすべきことを 自分で決めなきゃね」







アリシアから渡されたバルディッシュを起動させながら
ひとつ自分で解決できなかった疑問を聞いてみた。


(フェ)「レヴィは なんでここに居るの?
    わたしの過去とレヴィは なんの繋がりも無いはずだよ」
(レビ)「あぁそれは簡単だよ。
    ここは へいとの夢の世界なんでしょ?
    ボク自身もへいとの『夢』なのさ ちょっと意味は違うけどね」





そう アリシアとレヴィ
意味は違うけれど どっちもわたしの夢。

アリシアは 『もしもそうであればよかった 過去のわたし』の幻影
記憶が作り出したアリシアだった頃の わたしの写し身。

レヴィは 『もしもそうでありたい 未来わたし』の幻影
わたしとは全く違う現実のレヴィに 無意識にわたし自身を重ね合わせてたんだ。

過去のわたしと 未来のわたしの幻影。



(レビ)「ま、ボク自体はへいとの記憶から作られたものなんだけどね。
    ボクの本体は 魔導書の一部なのさ」
(フェ)「えっ どういうこと?」
(レビ)「つまり へいとの帰る道をボクが知ってるって事」





(アリ)「残念だけどわたしとは ここでお別れだよ。
    あまり長くいても フェイトの心残りになるだけだからね」


帰る手段と目処は立った。
でも 素直に帰るには ちょっと後が引けた。
レヴィのいうとおり 【この世界】でならアリシアは生きていける。
わたしは それを否定しようとしているのだから。


(アリ)「だからこそ私はここでお別れ。
    大丈夫、私はいつもフェイトの記憶で生き続けてるから。
    ほら、私の目  フェイトと違って嘘はついてないよ」
(フェ)「・・・うん 透き通った 嘘ついてない目。
    ごめん ごめんねアリシア わたしのせいで・・・」
(アリ)「いいよ わたしはおねえちゃんだもの。
    だけど ひとつだけ我侭聞いて」


アリシアが 抱きついてきた。
わたしより小さな体で。 母さんと一緒に旅立ったときの姿で。
これがアリシアの 精一杯の我侭。
わたしとアリシアの 最初で最後の体の触れ合い。



アリシアは そのままわたしの前から 光となって消えていった。
消えるのを見守ってから気づいた。
手に アリシアがつけていた水色のリボンが残っていた。
そしてわたしは 涙を流していた。





いつの間にか雨はあがってて
わたしとレヴィは 庭園のある廊下を歩いていた。
他人行儀なのは わたしもいつから歩いていたか覚えてないから。
まるで場面が切り替わったような それが当たり前のような感じ。
この廊下の先は 玉座がある広間だったはず。



(レビ)「ボクもさ この世界のボクは君の記憶も見てるから
    気持ちは分かるけど そろそろ行こう」
(フェ)「レヴィも 消えちゃうの?」
(レビ)「アリシアと違ってボクは魔導書の一部だからさ。
    へいとと一緒には行けないし
    魔導書と運命を共にする気だよ」
(フェ)「やっぱり 消えちゃうってこと?」


管理局は 闇の書に関しては完全消滅を目標にしている。
存在自体が危険なロストロギアだし 保管にも失敗してる。
シグナムたちはなんとか切り離すようにリインフォースががんばってるけれど
魔導書に他に住人がいるなんて聞いてなかった。
夢で出会わなかったら そのまま気づかずに終わってた。


(レビ)「何考えてるかはわかるけど無理だよ。
    ボクは書の奥底にある【闇の書のマテリアル】のひとり。
    姿形はへいとのイメージに近い人物のものを借りているだけ。
    ボクは書そのもののひとつ だから 切り離しはできない」
(フェ)「そんな・・・」
(レビ)「気持ちはわかるけどさ アリシアもそうだったように ボクも後悔してない。
    こうやって話せただけでも十分満足さ。
    あ、でもホンモノの【レヴィ】とは仲良くやって欲しいな。
    もちろんボクのことなんて ホンモノは何一つ知らないからね」
(フェ)「それはもちろんだよ だけど・・・」


わたしの勝手で作られた存在 そこに罪悪感が生まれる。
消える運命といわれれば尚更。
運命なんてものは存在しない。  母さんに そう言われてたのに・・・





夢の終点は 玉座の間だった。
広間の真ん中に 知らない扉がある。
壁でもないのに なぜかそこにある扉は
わたしたちが近づくと勝手に開いた。
その先は 真っ暗な空間に 光の道がある不思議な空間。


(レビ)「ここから先は へいとの本当の世界だよ。
    ボクが導いてあげられるのは ここまでだ」
(フェ)「うん ありがとう。  ・・・ごめんね」
(レビ)「へいとはそればっかりだなぁ。
    もしかして後悔してる?」


それは そんな話を聞けばね。


(レビ)「後悔はね 終わったあとで悔やむから後悔って言うんだよ。
    まだ、終わってないんでしょ?」
(フェ)「・・・うん」
(レビ)「だからさ 全部終わらせて いっぱい後悔して
    それから今度は後悔しないようにがんばればいいんじゃないかな。
    大丈夫 へいとならできるさ」
(フェ)「・・・うん」
(レビ)「アリシアと一緒に ずっと遠くから見ててあげるからさ」
(フェ)「・・・ありがと」



アリシアにやったように レヴィもしっかり抱く。
それが別れのサインだったように レヴィも消えていく。
手には蒼色の装飾品 バルディッシュの色違いのような宝石。
バルディッシュに保管をお願いして 扉をくぐった。
わたしは もう悲しまない。



来た道は崩れはじめている。
夢から覚めるために。  過去に囚われないために。
だから 今は前だけを見ることにした。
わたしのために消えたアリシアの幻影に怒られないために。
わたしのために見送ってくれたレヴィの幻影の期待にに答えるために。





------------------------------------------------------------------------------------------





  (あと)


あれ、フェイト主人公でよくね?


かなーりレヴィ(仮)の肉付け部分が多かった
闇の書のレヴィと 学校に避難中の表のレヴィは
なんの関係もありません


一組現実引き戻し完了
ここでマテリアルLを出した理由は 次回のあとがきで一緒に明らかにしましょう
次回も その類の話を含みますので



------------------------------------------------------------------------------------------
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人だけにコメントする。)
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
当ブログの小説

最新のものは下記『最新記事』から
過去作品は小説一覧からどうぞ
ツイッター
総合ブログ・小説ブログ共通
鉄系orなのセントツイート多し
ブログ更新のツイートも一応あり

相互フォロー・デュエルメイト募集
ツイッターDMでお気軽にどうぞ

 
TweetsWind
ブログ内検索
最新CM
[05/04 ライト]
[02/06 管理人]
[01/28 ライト]
プロフィール
HN:
渡有くれは
性別:
非公開
自己紹介:
そろそろ新人も何ですのでHN更新しました。 
渡有(とある)くれはと申します。 
本日は当書庫をご利用いただきまして ありがとうございます。


当ブログは
メインサイト『総合商事ビルOKIRAKU』の
コンテンツのひとつです。
メインサイトへはリンク『総トップページ』よりどうぞ。
カウンター

Copyright © とある書庫の片隅 All Rights Reserved.
Material & Template by Inori
忍者ブログ [PR]