小説置き場
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取り扱い:リリカルなのは二次SS
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男同士の友情と信頼の価値って
計り知れないよね
計り知れないよね
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小規模次元震の後はしばらく平穏な日々が続いていた。
ジュエルシードを集めていた頃から続けられる魔法訓練で
高町姉妹やフェイトたちは 日を追うごとに強くなっていく。
さらに夏ごろからはヴォルケンズが模擬戦相手として手伝ってくれるようになり
己の技を磨くいい機会になっていた。
もっとも シグナムとフェイトはそういう性格なのか
ほぼ毎日刃を交わしているのだが。
俺?
最近やっとユーノから合格がもらえるバリア魔法覚えたんだぜ。
・・・進歩の度合い差がひでぇ
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そんなわけで 季節は夏から秋へ 9月に入り
ここで嬉しいニュースが入ってきた。
プレシアさんである。
今年いっぱいは缶詰になる予定だったのだが
以前手がけていた新型駆動炉による事故が故意に行われたものであることが
先日クロノたちの手で表ざたになった。
そして その犯人が当時管理局のそこそこ偉い人だったという
とんでもないスキャンダルへ発展し
現在さらに偉くなっていた真犯人が逮捕。
当時の流刑期間が差し引かれ F研究におけるプレシアさんの刑期が短くなった。
そんな経緯で 来月にはテスタロッサ一家がまた揃うことになり
高町家からお引越しを計画することになった。
そういう意味では ちょっと寂しいニュースでもある。
「で、でもね 新しい家もすぐ近くなんだって」
「そうなの?」
「うん。 ほら ここからでも見えるよ」
窓の外 屋根が連なっている中に見える 最近できたマンションを指すフェイト。
上のほうしか見えないが あれは原作でハラオウン一家が入った建物じゃないか?
フェイトだけ見れば収まるところが同じってわけ。
それに確かに近い。 歩いて2,3分ってとこか。
「そっか それじゃ気軽に会えるね」
「そうだね」
3ヶ月とはいえ同じ屋根の下で生活してただけに
いざ別々の生活となると実感湧かないな。
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そして予定通り 10月にはプレシアさん、晴れて自由の身となり
海鳴市に戸籍を移してきた。
貴金属を換金する形で持っていた資産を日本円に替え
あのマンションへ引越しの手続きをする。
同時に テスタロッサ姉妹もそちらへと移った。
余談であるが 同期にハラオウン一家もやってきた。
リンディさんの日本かぶれが最高潮らしく 実際に住みたくなったらしい。
管理外世界在住という壁をコネと手案でぶちぬいて
テスタロッサ一家と同じマンションに落ち着く。
プレシアさんの保護観察も兼ねてるらしい。
というわけで 2家族に縁のある高町家の男たち
引越し作業を手伝っています。
「すまないな 店のほうもあるだろうに」
「そう思うなら翠屋で食って返してくれ」
「大丈夫だ 僕が何もしなくても艦長が利用してくれるから」
あの人 ケーキ大人買いしてきそうだよね。
テスタロッサ家とハラオウン家は
このマンションの最上階に隣同士に入っている。
聞けば廊下に出なくてもドア1枚あければ行き来できるらしい。
賃貸ではなく購入マンションだからできる芸当である。
管理局艦長・執務官は思いのほか入りが良いらしい。
「しかしよく上から許可が出ましたね」
「すごーい 見たことない機械がいっぱい」
どんなコネを使ったのか
管理局謹製の機材もしかkり運ばれてきている。
魔導師が居なくもないとはいえ一応管理外世界なだけに
これはかなり珍しいのではないか?
「まあね アースラもいるが 全般検査も近いから
いざというときはここを司令部にできるようになっている」
「何もないのが1番平和なのにね」
「ところがそうも言えないかもしれないんだ。
ちょっと気になることもあってね」
クロノがちょっと気になること
俺には思いあたりがあった。
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回想 数日前
「おいおい 冗談だろ・・・」
「俺は冗談なんてものは言わない」
ちょくちょく高町家にお泊りに来る八神家一同。
女の子たちが仲良くお風呂タイム(フェレットユーノ拉致済)のなか
ザフィーラにカミングアウトされた事実。
はやての足の麻痺が進行しているらしい。
それも前日の検査で速度を速めている傾向が見られたそうだ。
言うまでもなく闇の書の影響
蒐集を行わなかったために 催促しているのだろう。
放っておけば 来年の初日の出は拝めない。
「どうしたものか 我々も答えを出せずにいる。
騎士として誓った以上 蒐集は主を裏切ることになるからな」
「だが他に手を見出せないと」
「ああ 祐介の知恵を借りたい」
といわれても 無い知恵絞ったって出るものはない。
闇の書事件に関しては 俺が持ってる原作知識なんて
とっくの昔に役立たずになったしなぁ・・・
「俺に話すことは他の連中は?」
「存じている。
今日このときを狙って待っていた」
どおりで珍しくヴィータがお風呂を催促していたわけだ。
シグナムはまだしも お風呂大好きってわけじゃないからな あれ。
「といっても俺にできることなんて
皆無といっていいほど無いと思うぞ?
みてのとおり魔法も凡並の若造だし」
「それも承知の上だ。 我々には他に話せるアテも無い」
「アテねぇ・・・」
俺も無いぞ?
いや、あるにはあるんだが・・・
「・・・ヴォルケンズってさ」
「ぬ?」
「俺たちのこと どれくらい信用してくれるのかなぁって」
これは”前提”だ。 ”大前提”といってもいいくらい重要な。
「少なくとも俺は 主と我々に次ぐほど」
「そんじゃ他の皆とも相談して 改めて考えてきてほしいんだが・・・
俺やなのはたちも『個人として』信頼できる
管理局員がいるんだが 相談してみないか?
」
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回想おわり
そんなわけで 信頼できるか確かめに
今日の引越しはザフィーラ(変身魔法使用中)が紛れている。
百聞は一見にしかず 実際見てもらったほうが判断しやすいからね。
ほかの3人で近くの次元世界に行き
魔力を持った動物を少し狩ってもらって気を向かせているので
このあたりを担当するアースラスタッフは そちらに気をとられている。
ちなみに蒐集は今のところ無しの方針。
「こいつはその壁の隅か?」
「そうそう ありがとう キミも大変だねぇ人手に借り出されて」
「いや 高町の人間には世話になってるから」
「アルバイトしてるんだって?」
「部費の稼ぎに少々」
表向きはアルバイト高校生ということになっている。
空手部に入っていて 最近翠屋で働き出した青年
黒目黒髪の純日本人 いつものザフィーラよりかなり背は低い。
「ぃよっと こいつで箱は最後か?」
「ええ お疲れ様 箱の中の整理は個々でやるわ」
「そうね 特にこっちのほうは女性ものばかりだし」
男いないからな テスタロッサ家。
「リビングのほうがもう少しあるけれど少し休憩にしましょうか。
お茶でも用意するわね 一郎君(←ザフィーラのこと)もどう?」
「頂きます」
出された湯飲みを飲み干すザフィーラ。
砂糖大量に入った通称リンディ茶だよな あれ。
「これは・・・ まろやかですね」
「でしょう でもうちの職場ではあまり人気無いのよ なんでかしら?」
嘘だろう まさかの大ウケ
シャマルさん料理より全然マシってか?
軽く休憩している間にアリサ・すずかが到着し
小学生たちは揃って翠屋へ。
ユーノが連れて行かれる。 あぁ、人手が・・・
減った人手に苦労しながら残った荷物を搬入する。
誰だこんな重いソファー欲しいって言ったの?
フェイトでした おうふ・・・
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重い家具に苦戦しながらも
搬入するものは全てマンションの中に納まった。
「すまない もう少し時間あるだろうか。
僕の部屋の整理を手伝ってもらいたいんだが」
「いいよ 今日はバイトないし」
「助かる 君もいいだろうか」
「ああ」
つーわけで to執務官殿の部屋
さすが執務官
引越し直後というのに 荷物が綺麗に積んであって部屋がキレイ。
「で、何の整理をするんだ?」
「いや、整理もするんだが・・・」
モニターを出して何か操作してるクロノ
ってちょっとまて
「クロノ、(一般人として来てる)一郎君も居るんだが」
「問題ない 今カメラとマイクをダミーに切り替えた。
艦長は翠屋に挨拶に行ったし
居間にいるエイミィが仕事モードにならない限りは
君達と僕は仲良く荷物整理している場面が記録される」
「・・・どこで気づいた?」
「僕はさっき彼がテレビを設置していたあたりさ。
身体強化を使っていただろう?
かなり巧妙に細工していたが 僅かに魔力がもれていた。
すぐ近くに居なかったら気づかなかった量だけどね」
そういえばそのとき クロノはテレビ前に設置予定のテーブル組み立ててたっけ。
「で、単刀直入に聞こう 彼は何者だ?
君を疑うわけじゃないが 執務官として聞いておかねばならないんだが」
「・・・あー なんて答えればいいかなぁ」
ストレートにこられるとは思わなかった。
サーチャーで監視してみてからってのを想定してたからな。
「姿を偽装しないといけない事情があるのは分かる。
管理外世界在住の魔導師というだけでも珍しいからな。
おそらく 管理局のスカウト対策だろう? そう思って記録をダミーにしたんだ」
「うんまぁ そんな感じなんだが・・・」
一郎君をちらっと見る。
こういうときのためにアイコンタクトを決めておいていたんだ。
一郎君は『GO』を出していた。
信用するか否かは 今回ザッフィーに一任されている。
彼の許可は 騎士の総意に等しい。
あとは、こっちか。
「クロノ 【執務官】としてじゃなく【クロノ個人】として聞くが
何があっても驚かず、俺の話を信じてくれるか?」
「前者は内容次第で約束しかねるが 後者は言うまでもない。
君の紹介でなければ手伝いは頼まなかったんだ。
それくらいの信頼はしていると思ってくれ」
「まぁリンディさんたちも騙す気はなかったんだが
事が事なんでな・・・ 一郎君、」
「心得た」
巧妙に偽装していた変身魔法を解除する。
そのが見る見るうちに変わり
比例してクロノの顔も変わっていく。 驚きの方向へ。
「そんな・・・ まさか・・・」
「たぶん そのまさかなんだろうなぁ」
「先ず姿を偽っていたことは詫びよう 執務官」
「祐介、どういうことだ!? 何故【彼】がここにいる」
「何故と言われても いるからとしかいいようが無い。
クロノの いや、ハラオウン家の過去にあった事は実は俺も知ってる。
しかし【彼】のほうも 信用しうるか自分の目で確かめて欲しかった。
だからこそ こういう形で会わせるしかなかったんだ。
それとも『執務官殿』は仕事にプライベートを持ち込む性格だったか?」
「いや、それは断じて無い。
だが 局内でも第一級扱いだぞ 【彼ら】と【あれ】は」
「それが【抵抗もせずにここにいる】理由を考えてくれると 仲介した俺としては嬉しい」
クロノは黙り込んでしまった。
おそらく頭の中で事実と現状を整理してるのだろう。
一郎君の正体がヴォルケンリッターであることを明かした以上
【書】も俺の知っている 少なくとも知る人物の手にあるのは明らかだ。
局員としては直ちに封印しに行きたいだろう。
だがそれを【無抵抗】という名の抵抗が阻害している。
「執務官殿に問いたい。
我々は過去の経緯がある だがこの度の主は蒐集を望んではいない。
それでも 管理局は主を逮捕しに来るのか?」
「・・・ロストロギア不法所持の名目であれば。
だが、闇の書の性質上 それも不問になる」
闇の書は主を変える際
主の条件に見合った人物を無作為に選択して転送する。
なので不法所持罪は適用外なのだ。
「それを聞いて安心した。
そして、頼める義理ではないとは思ってはいるが
主を 助けていただきたい」
「助ける? 何かあるのか」
「話すと長くなる 日を改めたい。
そのときは 我ら騎士全員で対面することを約束する。
俺は 中田殿が信頼する人物が我々も頼れるか この目で確かめに来た。
そして 信頼に足りると結論を出している」
「さすがに主は出てきてはくれないか。
いや、話し合いの場を設けられるだけでも大きな進展だ
分かった 今は僕も君を信用しよう」
どうやら ファーストエンカウントは成功したようだ。
「君が【個人】として といった理由がよく分かったよ」
「そう言ってくれると俺としても助かる。 信頼してたぜ」
「信頼してくれているついでに 荷物整理も手伝ってくれるとなお助かるんだが」
・・・そういえばそういう名目でこの部屋に来たんでしたっけね。
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