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小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
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長くなった5話直属の続きです。 
まず5話から見て 通しでお楽しみください。














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<フェイトsideからスタート>




「はぁ・・・ はぁ・・・」
白い子、なのはと何度目かの戦い、
どうやらわたしは あの子を少し甘く見ていたらしい。
初めて出会ったときは魔力が強いだけの 素人だった。
でも 今は違う。  早くて、強い。
本気の勝負 迷っていたら こちらがやられる。
この手を使うしか ないのかな・・・

『 ファランクス シフト 』
「打ちぬけ ファイア!!」









<ヴィヴィオside>




大きな扉を開けると そこは何かの研究施設だった。
1番奥には大きな静態保存器、
その中にはフェイトママやメリッサさんに似た少女が浮いている。
そしてその近くに モニターを眺めるひとりの女性が立っていた。



「・・・どちら様かしら 誰かを招待した覚えは無いわよ」
「あなたを 説得しに来ました。 プレシア・テスタロッサさんですね」
名前を呼ばれて女性はこっちを見る。
アースラで見たあの画像と同じ顔 間違いなくプレシアさん。

「あら 貴方は・・・」
メリーさんを見るなり プレシアさんの顔が驚いた。
「まさか貴方がここに戻ってくるなんてね ナンバースリー」
「やはりこの体は ここで作られたものでしたか」
「言わずとも分かってるようね。
そうよ アリシアを生き返らすために研究を重ねて
作り上げた人形、 実験素体ナンバー3。
姿形は完璧だったけれど 最後まで意識が定着せずに
失敗物として廃棄した貴方が何故ここにいるのかしら」
「なるほど 最初から体はできていても心が無かったんだ。
体を失って心だけで来たメリーと共鳴でもしたかな」
「そうかもねぇ 元の意識とかどうなったんだろうと思ったけど
今の話聞いて むしろ少しほっとしたわ」

「それで 私を説得ですって?
無駄足だったわね。 私にはもう時間が無い もう遅いのよ。
今更手を休めるなんて・・・  ゲホッ ゲホッ」
「病気か何かか? 苦しそうだが」
「他人に気遣われるものじゃないわ。
研究のために 少しだけ強い魔力エネルギーを扱っただけ・・・ ゲホッ」

『強い魔力エネルギー・・・ まさかη波に・・・』
「・・・やっぱり裏にいたのね 時空管理局」
『・・・時空管理局執務官 クロノ・ハラオウンだ。
プレシア・テスタロッサ あなたにはすぐに罪を認め 自首してもらいたい。
良い病院も紹介しよう』
「もう遅いっていってるでしょう。
症状が出てからもう数ヶ月 今更治療ができるとは思ってないわ」

「クロノ君、η波って?」
『魔力も万能じゃないんだ。
ある一定の波長を出す強い魔力は 生物に有害で
最悪細胞を壊し死に至らしめることもある。
君たちの世界でいえば核放射能みたいなものさ』
「つまり被爆して 癌にでもなってるようなもんか」



「やっぱり失敗作は所詮失敗作ね。 管理局まで連れてくるなんて。
あの子もそう。 似てるのは姿形だけ。
見なさい こうしてる間にも失敗を犯してるわ。」
モニターを大きくして わたしたちにも見やすいようにしてくれた。
フォトンランサーを大量に打ち込みながら疲れた顔のフェイトママが映っている。


「実際に見るとすげぇ弾幕」
「どこが失敗だっていうの?」
「そうね まず焦りすぎて 集中できていないわね。
弾速、威力共に通常の8割しか出てないわ。
それに この魔法を打ち込めば絶対勝てると思ってるのかしら?
後の魔力も考えないで撃っている。 常に最悪を想定するのが常なのに。
これじゃ相手に耐え切られたら フェイトの負けね」






<なのはside>



「撃ち終わると バインドも解けちゃうんだね」

フェイトちゃんの攻撃は確かに凄かった。
逃げる隙も 避ける場所も無い集中砲火
ならばこそ私は 全部受け止めた。
フェイトちゃんの想いを受け止めるように。

『 プロテクション解除 通過率 17% 』
「うん ありがとうレイジングハート。
それじゃ今度は こっちの番だよ!!」
『 ディバイン バスター 』







<ケイside>



弾幕の土煙の中から なのはがほぼ無傷で現れたときには
さすがの俺らも (おそらくフェイトも)目を疑った。


「なのはの防御って あんなに硬いんだ」
「敵に回したら厄介なこと請け合いよね」
「この時でこれなら わたしがフルボッコしても平気だったわけだよ」

今度はなのはからフェイトへ お得意のバスターが放たれている。
しかも心なしか いつもより閃光が太い。
フェイトもラウンドシールドで抵抗しているが
彼女にはもう反撃する魔力もほとんど残ってないはずだ。
そして 今度のなのはの攻撃には第2波がある。
あの魔法少女史上最凶の光線が。



『受けてみて ディバインバスターのバリエーション、
これが私の 全力全開  スターライト ブレイカー!!


周辺から収束した大玉から放たれる 極太光線がフェイトを襲う。
モニター越しでも恐怖感がビンビン伝わってくる。
こいつは・・・ ひでぇとしか言いようが無い。




『な、なんつーバカ魔力・・・』
『うわぁ フェイトちゃん生きてるかな・・・』
通信の向こうの二人も 目の前の出来事に唖然としてるらしい。

「・・・魔砲少女とはよく言ったもんだ」
「あれ、非殺傷設定にしても衝撃だけで痛いんだよね」
10年後に非殺傷ながら本気のSLB食らう予定のヴィヴィオが語る。
彼女にとってはトラウマものだろう。
絶対{ ちょっと痛いだけ }じゃ済まなそうだもんな。
殺傷設定にしたら街が1つ無くなりそうな気がする。






気絶して海に落ちたフェイトが消し炭にならなかったのを確認し、
モニターは閉じられた。

「やっぱり外観を似せても 人形は人形ね」
「それであんたは どうする気だ?」
「予定通りの事をするだけよ。
もしものためにフェイトのジュエルシード 預かっておいて良かったわ」

プレシアさんの周りに浮かぶ 9個のジュエルシード、
フェイトが決戦の場に持って行ったんじゃなかったのか。


「少し足りないけれど この庭園の動力炉も使えばなんとかなるわ。
ジュエルシードに私の魔力を注ぎ込み 発動させる。
そして次元断層を起こし その先にあるアルハザードへ!!」
「おいおい 行けるとは限らないじゃないか 無謀すぎるぜ」
「ええそうね これは賭けよ。
私が生きている間にできる 最後にして最大の賭け、
アリシアさえ生き返ってくれれば また微笑んでくれれば 私はそれでいい」







<クロノside>




「次元震発生 中規模以上 さらに震度増大。
このままの増大速度だと 次元断層発生まで1時間ありません!!」

恐れていた事態が 起ころうとしている。
作戦失敗か・・・
「プランBに切り替える 武装局員は出動準備を、僕も出る」
「!? クロノ執務官、お待ちを!! 様子が変です」
「なんだ 事態は一国の猶予も無いんだぞ」
「次元震の増大速度が 急速低下していきます」







<ケイside>



複数のジュエルシードを発動させて 次元断層を引き起こす。
そのプラン 断層は確かに引き起こせるだろうが
約1名そこまで持たない人物が目の前にいるようだ。


「ゲホッ ゲホッ ゲホッ・・・」
「なぁプレシアさんよ、
あんたの体 アルハザードとやらまでたどり着くまで持たないんじゃないか?」
「ゲホッ あ、貴方に 何が分かると ゲホッ グハッ!!」

口から血を吐き出しながら反論するプレシアさん。
しかし今出てきたのは赤い血ではなく 真っ黒な何か。
「!? 漆黒の宣告」
「ヴィヴィオちゃん何それ?」
「無限書庫で読んだ本にあったの 黒い血は死神を呼び寄せるための目印、
これが出るのは末期症状 もうミッドチルダの先進医学でも治療は出来ない」


「ゲホッ こ、ここまでだというの・・・ ゴホッ
私のしてきたこと ゲホッゲホッ この程度 ゲホッ だったと・・・
嗚呼 アリシア・・・  せめて ゴホッ お前だけでも・・・」


















【目を覚まして そしてこんな母に もう一度微笑んで・・・】
















プレシアさんが苦しげながらにそう口にしたとき
奇跡が起きた。




部屋を回っていたジュエルシードのうちの1つ シリアル7が
激しく発光し 砕け その破片が静態保存器へ集まり 周りを回りだす。
すると中の保存液が発光し始めた。


俺らも プレシアさんも驚きで声も出ない中
保存器の外枠にヒビが入り ガラスが割れ 中の液体と少女が出てくる。
そして・・・







「あれ ここは・・・」
中にいた少女が 目を開け 喋った。




「ア、アリシア・・・」
「あっ 母さん 大丈夫?
なんかすごい音とか光とか お部屋も揺れたんだよ」
どうやら記憶はヒュドラ事故当時のものらしい。

「え、ええ。 大丈夫」
「そう よかった・・・」
そう言って 微笑んだ。
プレシアさんが望んでいた アリシアの笑顔。

「そう、ね・・・ よかったのよね・・・
貴方の笑顔が見れて よかったわ・・・
その顔 大事にするのよ 私が大好きだった アリシア・・・」
「母さん??」
愛娘を抱き 涙を流すプレシアさん。

















それが 最期の言葉だった・・・




「グハッ・・・・・」
再度黒い血を吐き プレシア・テスタロッサは息を引き取った。
同時に彼女の魔力を注がれていたジュエルシードも光を失い
8個それぞれが部屋の片隅に落ちる。
先ほどまでの揺れも 次第に収まっていった。

「母さん ねぇ母さんってば どうしたの ねぇ・・・」
事情をうまく飲み込めないアリシアの声だけが
むなしく部屋に響いていた。















『・・・作戦を終了する。 君たちもご苦労様』

プレシアさんの亡骸を アリシアに聞いた彼女の部屋のベッドに移し
アリシアを落ち着かせたところでクロノから通信があった。

「・・・すまん プレシアさんを助けられなかった」
『君たちのせいじゃない 気にするな。  それよりも・・・』
部屋に魔方陣が浮かび上がる。 これは 転送の・・・


「ケイスケさん メリッサさん ヴィヴィオちゃん」
「なのは それにフェイト・・・」
転送されてきたのは臨海公園にいた4人。
『黙っていて悪かったとは思うが フェイトの頼みでね、
二人の勝負のあと そちらのモニターを彼女らにもまわしたんだ』
「ということは プレシアさんのことも・・・」
「うん なのはたちと一緒に見ていた」


「ねぇ この人たちは?」
まだ事情を全部飲み込めていないアリシアが尋ねてくる。
「ああ、俺らの友人さ。
特に左の子は アリシア、君の生き別れの妹さん でいいのかな」
「そっか。 私、アリシア・テスタロッサ 9歳、であってるんだよね」
「ああ、合ってる 生まれてから数えて今年で9歳」

アリシアに自己紹介され フェイトは涙を抑えることが出来なかったらしい。
二人は抱き合って お互いの存在を確かめあっていた。


「アリシアとフェイトが姉妹だっていうなら わたしもその中にはいるのかな」
「そうだな メリーは二人の中間ってことだ」
「いきなり可愛いお姉さんと妹ができるのかぁ」
クスッと笑うメリー。




「それで、お前さんがたのほうはどうなったんだ?」
「うん わたしが勝って フェイトちゃんとじっくりお話したの」
「辛いこと 悲しいことがあったら相談し合って解決すればいい、
楽しいこと 嬉しいことを分け合って 一緒に楽しめるように」
「【友達に なろう】 二人でそう決めたんだ」
「・・・そうか だが二人とも全力で戦ったんだろう?」
「うん そうだよ」
「ならばただの友達じゃない。
お互いの本気を見て 真の心を知った【大事な親友】だぜ」
「ケイ、そのセリフ似合わない」
「そう言うな 俺もそう思ってるんだから」

その場にたくさんの笑い声が響いた。
そうだ 彼女らには笑顔が似合う。
つくづく そう思った。






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あとがき


1期軸でやることは 全てやり尽くして
真っ白に燃え尽きました・・・


原作沿いに進む最終決戦と
原作とはかけ離れた庭園でのやりとりの同時進行
プレシアさんの病気の正体
なのはとフェイトの友人としての始まり方
そして アリシア生存
これら全てを5話、6話で表現してみました。


フェイトには決戦にジュエルシードを置いてきてもらいました。
座標が既に割れてたのもありますが
プレシアさんの手に無いと同時進行できなかったもので。


砕けたシリアル7
こういうところには縁起の良い数字をと思って選んだだけ。
幸いにもラッキーセブンがフェイトの手元にありました。
グリフォン様のジュエルシードナンバー考察 参考にさせていただきました。


この後ですが後処理が残ってますので
もう少し1期軸です。


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