時を駈ける幼女 ５章-２

クロノ君ってこんなにヘタレでしたっけ？

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　　　【SIDE YUNO】
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僕たちがアースラのお世話になって　１週間
封印が確認されたジュエルシードは全部で１５個
あと６個が　どうしても見つからない。

アースラの設備は　管理局標準仕様
センサーの類は比較的新しいものが用意されている。
それらをフル稼働させても見つからないジュエルシードは
一体どこにあるんだろう？




今日は　一向に進展が無い状況を打破するため
会議室で案を出し合っている。
当然　僕となのは、ティルも参加していた。

既に海鳴市街地、住宅街、離れの豪邸や港湾は全域をくまなく捜索され
付近の山、近隣の街にも探索網は延びている。
遠見市の捜索のとき　皆さんには秘密でフェイトの家があるマンションも見てきたけど
フェイトが家に戻った形跡はなかった。
管理局に見つからないよう　逃げ回っているらしい。
ただひとつ　僕らに宛てたらしい置手紙だけを残して。


（局員Ａ）「反応が弱すぎてセンサーに引っかからないことも考えられます
　　　　　故意に魔力を流して強制発動させてみては・・・」
（局員Ｂ）「それで次元震を起こしてはモトも子もないでしょう」
（局員Ｃ）「本当に２１個　この街に落ちたのでしょうか？
　　　　　６個だけ別の街　ひいては別の国に落ちた可能性は・・・」
（局員Ｄ）「何度もシュミレートしたけれど　その可能性はほぼゼロでした
　　　　　数キロの誤差はあれど　海鳴市周辺にあるのは確かです」
（局員Ｅ）「しかし一体どこに・・・」

あまり妙案は期待できそうにない　かな・・・


魔力を流したりは　以前フェイトがやっている。
アースラ乗艦後も　それらしき魔力流跡が見つかってるから
それで見つかるなら　とっくに発見されてるはずだし。

誤差数キロ　か。
海鳴は海山に囲まれた土地だ。
山には無かった　となると・・・







[メル]『・・・はい　ではそのように』
（ティ）『うん　おねがいねメル　　ユー兄、』
（ユノ）『分かってる　そのまま知らぬふりで続けて』
（ティ）『わかった』


この会議室が監視されてるくらい　僕にも分かってるさ。
記録係のエイミィさんは机をはさんで僕らの向かいにいる。
正式な記録映像をとるカメラは机の上だ。
だから　さっきから感じる後ろからの視線は　アースラのものじゃない。

実は今回は　僕よりもティルのほうが気づくのが早かった。
もぞもぞ動くティルを見て　何かあったのか聞こうとしたところで
僕も後ろの視線に気づいたんだ。

僕らの後ろは壁　誰かがいるわけじゃない。
透明人間が実在しない限りは　この視線は機械的もしくは魔力的なもの。
つまり　誰かがモニターを通してこの会議室の風景を見ていることになる。

誰か　というのもだいたい想定できた。
アースラの会議風景をこっそり見る必要がある人物
フェイトは　性格上そういうことはしない。　正々堂々正面から来るタイプだ。
だから見ているのは　フェイトの後ろにいる　黒幕。






それ以降もいろんな案が出たものの
決定打に欠け　時間だけが過ぎていった。



（リデ）「これ以上続けても進展はなさそうね。
　　　　地道に捜索するしかないかしら」
（クロ）「そうですね　時間をおけば妙案がでるかもしれませんし。
　　　　では会議はここまでにします　各自任務に戻ってください」
（リデ）「あ、なのはさんたちは残ってね
　　　　少しだけお話があるから」


局員の皆さんが退室するなか
僕らとリンディさん、エイミィさん、クロノの６人が会議室に残った。
あの視線も　もう感じない。　　撤収したようだ。


（リデ）「で、どうだったかしら？」
（ユノ）「気づいてたんですか」
（リデ）「えぇ　エイミィがね」
（なの）「え、　なになに何の話？」
（クロ）「僕もさっぱり分からないんですが」

気づかなかった人、２名。
特に　それでいいのか執務官・・・


（エミ）「クロノ君も気づかなかったの？
　　　　さっきの会議　盗聴されてたんだよ」
（クロ）「なっ!?　　何処から」
（エミ）「会議を引き延ばして逆探知してたんだけどねぇ・・・
　　　　そっちはどうだった？」
（ティ）「だめだった」
（ユノ）「次元跳躍がかかってるえに　ランダムワープもしてて
　　　　僕らのほうでは特定できませんでした」
（エミ）「こっちもジャミングに阻まれちゃってねぇ
　　　　たぶん　次元空間より上位の空間からだと思うんだけど」
（クロ）「高次空間・・・　それだけでは特定するのは無理か」

（なの）「一体だれなんだろう」
（クロ）「事件の主犯格　というのが１番有力だな。
　　　　輸送船も　偶然の事故じゃなく襲撃と考えれば辻褄が合う」


輸送船で見た　黒い雷、
次元空間で自然発生するとは考えにくいそれが魔法による攻撃で
目的がジュエルシードであれば　なるほど納得だ。


（なの）「まさか　クロノ君たちはフェイトちゃんを疑って・・・」
（ユノ）「違うよなのは　彼女の魔力色は金色　黒じゃない。
　　　　魔力色は個人差によるものだから　少なくとも輸送船襲撃は彼女の手によるものじゃないよ」
（クロ）「だが彼女と襲撃犯が無関係という証拠もない。
　　　　逆に　彼女達とは無関係の第三者がいる可能性も僅かだが残っている。
　　　　まだ　断定するには判断材料が足りなさすぎる」




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　　　【SIDE NANOHA】
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フェイトちゃんは　ジュエルシードはお母さんの指示で集めている　って言ってた。
何に使うかは知らないし　きっと教えてくれないとも。
フェイトちゃんのお母さんって　どんな人なんだろう？


（クロ）「心当たりが無くもない」
（なの）ほんと？
（クロ）「だが　これも断定するには早いな。
　　　　テスタロッサ　というファミリーネームを持った優秀な魔導師兼学者がいたんだが
　　　　どういう理由か　数年前から行方を晦ませている」


そういえばフェイトちゃんは　管理局に関わっちゃいけない　とも言っていた。
フェイトちゃん自身かお母さんと　管理局さんとの間に何かあったのかな？


（クロ）「彼女自身の証言や協力があれば　また話も変るんだが
　　　　連絡手段も無いし　向こうもサーチャーにかからないからな」
（リデ）「彼女本人には　まがしいことは無いんだけどね」



リンディさんたち曰く　フェイトちゃんの行動がお母さんの指示という証拠がとれれば
フェイトちゃん本人が罪に問われることはないそうです。

管理局の法律で　フェイトちゃんが引っかかりそうなもの、
【ロストロギア不法所持】は、所有者ユーノ君のお手伝いということにしてくれるそうです。
ユーノ君に決定権があって　わたしと同じ扱いにしてくれました。

【公務執行妨害】も、たとえば捜索装置を壊したりとか　直接妨害してるわけじゃないので
これも今のところ適用外らしいです。

【民間人への魔法攻撃】これはわたしに対してなんですが
あれはわたしたちとフェイトちゃんとの間で決めたルールに則った一騎打ちってことになりました。
実際　そんな感じで戦ってたので問題ないよね。

【管理外世界への不法渡航】とか　そのへんはリンディさんたちのほうで
いろいろがんばってくれるそうなので　いろいろひっくるめて　フェイトちゃんは無罪なの。
異論を言うやつはぶっとばしちゃうの♪


だから　フェイトちゃん
隠れてないで　出てきてくれないかなぁ・・・



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　　（あと）

引き続き　下ごしらえの回
誰が会議室を覗き見してたんでしょうねぇ？
次回早々に回収されるんですけどねぇ
たまに出てくる謎の人物ではありませんよ？



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