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小説置き場  通常は3の倍数日に更新します   取り扱い:リリカルなのは二次SS
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動き出す雲 のお話










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   【SIDE YUNO】
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暑さに悶えた夏も過ぎ
日が落ちる時間がだんだん短くなってきた海鳴市、
なのはの話では 年の暮れには雪が降ることもあるらしい。
故郷が万年雪だったティルは待ち遠しいみたいだ。


そんな平和な日常は
ある日突然終わりを迎える。
終わりのはじまりは 1本の電話。







(ユノ)「はやての足の麻痺が?」
(シグ)「ああ、日を追うごとに上に侵蝕しているらしい」



はやての定期健診の日 夕方ごろ
中丘町のとある公園に呼び出された僕、
そこでひとり待っていたシグナムさんが明かしてくれた
はやてと 八神家の秘密。

原因不明の病で生まれつき足が動かないはやて、
麻痺は元々 微々たる速度ではあったけど上にあがっていっていた。
その速度が最近急激にあがっているらしい。
内臓器官 とくに心臓まで達すれば はやての命はない。
主治医の見解では 持ってこの冬いっぱい 早ければ年の暮れ・・・



(ユノ)「・・・それをどうして 僕に?
     内容からして はやてにすら内緒なんでしょ」
(シグ)「ああ 知っているのは我々騎士と主治医だけだ。
     主には話せない 話せぬ理由がある。
     麻痺は 我々が原因である可能性が高いんだ」


はやての守護騎士 ヴォルケンリッターがひとり
癒し手のシャマルさんによれば
病院のカルテに記録された 麻痺の急速侵蝕と
闇の書の起動日がほぼ重なっているらしい。
侵蝕は 魔力不足になった闇の書の蒐集催促ではないかと見ている。
守護騎士が表で活動することで 魔力消費がさらに増えているとすれば
自分たちが活動している限り 侵蝕は止まらないどころかさらに加速する恐れもある。



かといって 守護騎士の消滅はおそらくはやてが許さない。
であって数ヶ月 僕でもわかる。
大切な人のためならたとえ自分の命を売ってでも守りたい。
そういう性格なんだよね はやては。

それに 騎士が消滅したところで闇の書の催促は終わらないだろう。
書が完成するまで 侵蝕し続けるはずだし
自動で騎士の再構成をするかもしれない。
予測でしかないけど 十分あり得ることだ。
でもそこまでして なんで闇の書は自身を完成させたがるんだろう?


(シグ)「それに関しては我々にも分からぬ。
     守護騎士は闇の書に付随するプログラムだ。
     上位プログラムの情報 特に深層のものは シャマルでも引き出せなかった」
(ユノ)「それだけ隠したいもの か・・・」






(シグ)「さて ここまで話したからには
     我々の真意は お前なら分かるのではないか?」
(ユノ)「大体想像できますが 本気ですか?
     はやてが喜ぶわけないですし 危険すぎます」
(シグ)「承知の上で お前に頼みたいのだ。
     主の信頼があり 我々と差もない実力を持ったお前にこそ な」



家族でも 仲間でもない僕にここまでの情報を明かしたシグナムさん、
いや、守護騎士全員の真意は この言葉ではっきりした。

守護騎士は はやてとの誓いを破って蒐集を始める気なんだろう。
はやてが騎士たちを愛おしく想っていることと同じように
いや、それ以上に 騎士たちも はやての命を守りたいんだ。
そして そのことをはやてには知られたくないんだ。
心配をさせたくないし はやてならきっと途中でも止めさせるだろうから。

でも 蒐集に動くとなれば蒐集相手が必要だ。
収集対象はリンカーコア お願いしてはいどうぞと差し出す人はそう居ない。
リンカーコアを持った動物も存在するけど どうであれ襲撃する形になるだろう。
そうなれば 黙っていないのが管理局だ。


シグナムさんは 僕に『守護騎士の代わり』をお願いしたいんだ。
以前聞いたとおり 闇の書を狙う賊がゼロとは限らない。
自分達が留守のあいだに現れた時の はやてを護る役を頼んできてるんだ。

管理局がはやてをつきとめて拘束に来るかもしれない というのも
念頭に入っているかもしれないけれど・・・



(ユノ)「以前にも言いましたけど 僕にも管理局のツテはありますから
     それを裏切ってまで動くことはできませんよ」
(シグ)「分かっている それを見越してお前に頼むんだ。
     もしもの場合は お前の判断で管理局を頼ってくれてもいい。
     主には なんの罪もないはずだ 保護してくれるさ」
(ユノ)「そんなことをしたら 騎士の皆さんは・・・」
(シグ)「主はやてには会えなくなるかもしれん。
     だが主はやての命が助かれば 再会の機会があるやもしれん。
     全て終わったら 我々から管理局に出頭することも考えている」
(ユノ)「・・・全ては はやてのためにですか」
(シグ)「そういうことだ」


主人に似たのか 元々そういう性格なのか
シグナムさん いやきっと騎士全員が はやてと同じなんだね。






(ユノ)「わかりました でも、ひとつだけ僕と約束してくれませんか?」
(シグ)「ふむ 聞こう」
(ユノ)「絶対に無理はせず 必ずはやてのもとに帰ってきてください。
    はやてを悲しませることは 騎士の皆さんとてしたくないでしょうけど
    事態が事態ですから」
(シグ)「・・・ああ 約束、いや 騎士として誓おう。
    1度誓いを破った身だが 2度は無い。
    スクライア、お前にも迷惑をかけるが 頼む」


そう言ってすっと立つと 僕に向かって片膝をついたシグナムさん。
ちょっと、それって・・・


(ユノ)「ベルカの【忠誠の儀】じゃないですか!! やめてください。
    僕は皆さんと対等でありたいと想ってますし それにこんな公共の場で・・・」
(シグ)「これが我ら騎士の総意と真意 それに決意だ。 やらせてくれ。
    人目なら気にするな ここは表通りからは死角になっているし この時間は大した人通りも無い」
(ユノ)「わかりました わかりましたから。 お願いですから直ってください」
(シグ)「では・・・」


やっと立ち上がったシグナムさん。
やれやれ この人は希に世間知らずな行動をとるから怖い。



(ユノ)「・・・いつ出発する気ですか」
(シグ)「来週あたり 我々が突然居なくなると主はやてが感づいてしまうからな。
     私は剣道の合宿と称して少々遠出するつもりだ」
(ユノ)「約束 ですからね。
    待ってますから 僕も はやても」
(シグ)「ああ・・・」





はやての家へ戻るシグナムさんを見送りながら
僕はこれから起こりうる この先のシナリオをシュミレートしていた。

はやてを影ながら見守るのはたぶん問題ない。
でもシグナムさんの予想どおり賊が出てきたら
最悪なのはたちも巻き込んでしまうかもしれない。
悪いことをしちゃうかもなぁ・・・


せめて できる限り良い展開で物事が運びますように。




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   (あと)

月日的には次の話を見込んで9月後半あたりを想定して書いてます
原作で騎士たちがはやての麻痺を闇の書と関連付けるのは
10月末なので少し速い展開ですね
蒐集期間に余裕があり 魔導生物主体で襲えるということでひとつ・・・


だいぶ原作破壊してるように見えて実はそうでもありません
元々ユーノ君は書庫に缶詰でしたから 缶詰先が八神家になるだけです
ただこれだと 代わりに書庫探しする人材を探さなきゃならないのと
ユーノ君の将来が未知数になるのが大きな違いですね
まぁ 当作のユーノ君なら例えばなのはさんと並んで
教導隊いってもやってけるでしょう きっと


忠誠の儀は 書の初期起動ん時のヴォルケンズを
想像していただければ分かりやすいかと



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